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 IASBがリースの貸借対照表への計上によってリースに光を当てる
2016年1月13日

国際会計基準審議会(当審議会)は、本日、IFRS第16号「リース」という名称の新しい会計基準を公表した。これは、もはや目的に合わなくなったと考えられる30年以上前に導入された会計処理の要求事項を置き換えるものであり、企業がリースを会計処理する方法の大幅な改訂である。

リースは、多くの企業にとって重要で柔軟性のある資金調達源を提供している。しかし、古いリース会計基準(IAS第17号「リース」)では、投資者等が企業のリース資産・負債の正確な描写を得ることが困難になっている(特に、航空、小売、運輸などの業種について)。

IFRS基準又はUS GAAPを使用している上場企業には約3.3兆米ドルのリース約定があると見積られており、そのうち85%以上が貸借対照表に計上されていない*。その理由は、これまでリースが「ファイナンス・リース」(貸借対照表に計上)又は「オペレーティング・リース」(財務諸表注記でのみ開示)のどちらかに区分されていたからである。

この多分に恣意的な区別により、投資者による企業の比較が困難になっていた。また、投資者等が企業のオフバランスのリース債務の影響を見積らなければならないことも意味していた。これは実務上、それらの債務から生じる負債の過大な見積りにつながることが多かった。IFRS第16号は、この問題を、すべてのリースを企業の貸借対照表に資産及び負債として計上を要求することによって、解決するものである。

IASB議長のHans Hoogervorstは、次のようにコメントした。

「これらの新しい会計処理の要求事項は、リース会計を21世紀に合ったものにし、多額なことの多い企業のリース債務の計算に要した推量を不要にするものである。

新しい基準は、企業のリース資産・負債に関して大いに必要とされていた透明性を提供することになり、オフバランス・リースの資金調達が陰に隠されなくなることを意味する。また、リースをしている企業と購入のために借入をしている企業との間の比較可能性も改善する。」

新しい「リース」基準は、数回の公開協議と審議会レベルでの広範な審議の対象とされ、そのすべては公開の場で行われウェブ放送された。

IASBは、新しい基準の開発に関して米国財務会計基準審議会(FASB)と緊密に協力して作業をしてきた。両審議会は、リースを貸借対照表に計上させるという中心的な論点と、リースの定義及びリース負債をどのように測定すべきかについては一致している。

IFRS第16号は2019年1月1日に発効する。早期適用は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」もともに適用する企業に認められる。

影響分析

本基準の付属として、IASBは、本基準のコストと便益を説明する別個の「影響分析」も公表した。この影響分析は、本基準の必要性と、便益がコストを上回ることを明確に立証している。

当審議会は、寄せられたフィードバックを慎重に検討し、作成者のためのいくつかのコスト低減措置(「少額」の項目や12か月以下のリースの適用免除など)を導入した。

別個の「影響分析」の公表は、2014年11月の影響分析協議グループによるIFRS財団評議員会への報告書を受けてのことである。影響分析は、こちらでアクセスできる。

別個の「プロジェクト要約」(本プロジェクトの経緯及び当審議会が本基準の開発中に利害関係者のコメントにどのように対応したのかについての概要を記載)は、こちらで入手できる。

*IFRS又はUS GAAPを使用している30,000社の上場企業のサンプルに基づくと、14,000社を超える企業が2014年の年次報告書においてオフバランスのリースに関する情報を開示している。それらの企業でのオフバランスのリースに係る将来の支払は。合計で2.9兆米ドル(非連結ベース)であった。


以 上


編集担当者への注釈:

  • 「リース」プロジェクトに関する詳細な情報は、こちらで入手できる。
  • 貸手(リース資産を提供する企業)の会計処理は、拡充した開示を提供するという要求を除いては、実質的に変更されていない。
  • IASとは国際会計基準の略であり、国際会計基準審議会の前身である国際会計基準委員会(IASC)が開発した基準に使用される用語である。2001年の設立時に当審議会はIASCが開発したIASを採用した。それ以降に開発された基準はIFRSと呼ばれている。
  • IAS第17号「リースの会計処理」は、1982年に公表され、1997年に改訂された(その際に、IAS第17号「リース」となった)。
  • 影響分析協議グループの報告書は、こちらで入手できる。
  • 簡潔なファクト・シートは、こちらで入手できる。


プレス関係の問合せ先:
Kirstina Reitan, Head of Communications, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6960
Email: kreitan@ifrs.org


専門的な内容に関する問合せ先:

Patrina Buchanan, Associate Director, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6468
Email: pbuchanan@ifrs.org

Kathryn Donkersley, Technical Manager, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6970
Email: kdonkersley@ifrs.org
 
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