企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等の公表
2019年7月4日
企業会計基準委員会
我が国においては、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」等において、時価(公正な評価額)の算定が求められているものの、これまで算定方法に関する詳細なガイダンスは定められていませんでした。一方、国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、公正価値測定についてほぼ同じ内容の詳細なガイダンスを定めています(国際財務報告基準(IFRS)においてはIFRS第13号「公正価値測定」、米国会計基準においてはAccounting Standards Codification(FASBによる会計基準のコード化体系)のTopic 820「公正価値測定」)。これらの国際的な会計基準の定めとの比較可能性を向上させるために、2016年8月に当委員会が公表した中期運営方針において、日本基準を国際的に整合性のあるものとするための取組みに関する検討課題の1つとして時価に関するガイダンス及び開示を取り上げていました。
これらの状況を踏まえ、当委員会は、2018年3月に開催された第381回企業会計基準委員会において、主に金融商品の時価に関するガイダンス及び開示に関して、国際的な会計基準との整合性を図る取組みに着手する旨を決定し、検討を重ねてまいりました。
今般、2019年6月27日開催の第411回企業会計基準委員会において、以下の企業会計基準及び企業会計基準適用指針(以下合わせて「本会計基準等」という。)の公表を承認しましたので、本日公表いたします。
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企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」
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改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」
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改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」
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企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」
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改正企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」
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改正企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」
本会計基準等につきましては、2019年1月18日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、当委員会に寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行ったうえで公表するに至ったものです。
以上
【参考】企業会計基準第9号(2008年9月改正)からの改正点
【参考】企業会計基準第10号(2008年3月改正)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第14号(2014年5月改正)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第19号(2011年3月改正)からの改正点
【参考】企業会計基準適用指針第19号(2011年3月改正)からの改正点(開示例)
参考情報
時価算定会計基準、時価算定適用指針及び金融商品会計基準は、以下の日本公認会計士協会の実務指針等にも影響するため、当委員会で検討のうえ、同協会に改正を依頼しており、当該依頼を踏まえ、本日、同協会より、以下の実務指針等の改正が公表されております。
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日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
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日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」
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日本公認会計士協会 会計制度委員会「金融商品会計に関するQ&A」
これらの改正につきましては、以下リンク先の同協会のホームページをご参照ください。
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20190704ejj.html