ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、IFRSsの初度適用者を支援する提案を公表(IFRS第1号改訂案)

IASBプレスリリース 2007年1月25日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、一般のコメントを募集するために、国際財務報告基準(IFRSs)を最初に適用する際に、IFRSsの規定のさらなる免除を提供する提案を公表した。 本提案は、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の修正案の公開草案として示される。

本提案は、IFRSsの適用において、子会社への投資の取得原価を測定する際に、親会社が直面する困難に関する懸念に対する回答である。現在、IFRSsは、親会社に対して子会社の投資を取得原価又は公正価値で測定することを要求している。ある状況下では、親会社は、IFRSsに準拠して取得原価を決定できないが、各報告日に投資を測定する事後的な必要により、投資を会計処理するために公正価値を使用することを阻まれることがある。

本公開草案は、IFRSsの初度適用の際に、子会社の投資を測定するために、親会社がみなし取得原価を利用することを認める提案を行っている。みなし取得原価は、子会社の純資産の親会社投資分又は親会社投資の公正価値を参照して決定することができる。
本提案は、配当を区別する目的で、子会社の取得前の累積利益を修正再表示する必要性を軽減することによるさらなる救済措置も提供している。

本公開草案の紹介として、IASB議長であるDavid Tweedie卿は、次のようにコメントした。

「本提案は、IFRSs適用の障害と作成者が考えている規定に関する作成者の懸念に対する審議会の回答である。確定すれば、変更は、財務諸表の利用者に有用な情報を提供しながら、IFRSsの初度適用の際の作成者の負担を軽減することとなる。」

IASBは、本公開草案に対して、2007年4月27日までコメントを募集している。

基準案及び基準に対する修正の公表の主たる媒体は、IASBの購読者用ウェブサイトでの電子フォーマットによるものである。購読者はeIFRS 「オンライン・サービスLogin」を通じて、本日公表された公開草案を入手できる。購読希望者はwww.iasb.orgへ、又は下記に問い合わせていただきたい。

IASCF Publication Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749,
Email: publications@iasb.org
Web: www.iasb.org

「IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」修正案―子会社投資の取得原価」の公開草案の印刷版(ISBN 1-905590-05-9)は、IASCF出版部から£10.00で購入可能である。

2007年2月5日以降、本公開草案の完全版がIASBのウェブサイトから無料で入手可能となる。

以上

お問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

専門的な問い合わせ先

Elizabeth Hickey, Director of Technical Activities, IASB,
Telephone:+44 (0)20 7246 6458,
Email: ehickey@iasb.org

Jeff Singleton, Project Manager, IASB
Telephone: +44(0)20 7246 6463,
Email: jsingleton@iasb.org

編集担当者への注釈

本公開草案について

  1. 本IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」修正案は、ある企業に対してIFRSsの適用を妨げる困難を取り除くことを意図するものである。本修正は、IAS第27号「連結及び単体財務諸表」の一部の規定に対する救済措置を提供することとなる。IASBは、提案されているような免除を提供することは、財務諸表の利用者に提供される情報の質を損なわないと結論付けた。
  2. 修正案は、親企業に対して、IAS第27号の規定に準拠した金額の修正再表示に代わって、子会社投資に対してみなし取得原価の利用を認めることとなる。みなし原価は、子会社の純資産の親会社投資分又は親会社投資の公正価値を参照して決定することができる。
  3. さらに、本提案は、配当を区別する目的で、子会社の取得前の累積利益を修正再表示する必要性を軽減することによるさらなる救済措置も提供している。

IASBについて

国際会計基準審議会(IASB)は、ロンドンに本拠を置き、2001年に活動を開始した。同審議会は、IASC財団の評議員会によって集められる拠出金で運営されている。この拠出金は、世界中の主要会計事務所、民間金融機関及び事業会社、中央銀行及び開発銀行、ならびにその他の国際的専門団体からのものである。 現在の14人の審議会メンバー(うち12人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。IASBは、公共の利益のため、一般目的の財務諸表において透明で比較可能な情報を要求する、高品質かつ世界的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、全世界の会計基準の収斂を達成するために各国の会計基準設定主体と協力している。 

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