ASBJ 企業会計基準委員会

IFRIC、在外営業活動体に対する純投資のヘッジに関する解釈指針書案を公表(IFRIC解釈指針書案D22号)

IASBプレスリリース 2007年7月19日

国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)は本日、解釈指針書案D22号「在外営業活動体に対する純投資のヘッジ」を、一般のコメントを募集するために公表した。本提案は2006年10月19日までコメント募集のために公開される。

IFRIC解釈指針書案第D22号は、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」及びIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の2つの会計基準から生じるある会社とその在外営業活動体の間の為替リスクのヘッジの会計処理に関する2つの論点を明確にしている。IFRICの提案は、何が在外営業活動体に対する純投資のヘッジについてのリスクとして適格か、及びグループ内でリスクを相殺する金融商品を保有できる場合を明確にしている。

ある会社では、財務諸表を表示するために利用する通貨(表示通貨)は、当該会社又はその子会社が日々使用し正味のキャッシュ・フローを生み出す通貨(営業又は機能通貨)と異なっている。現在、ある会社では、機能通貨を表示通貨に「換算する」場合に、ヘッジ会計を利用している。IFRICは、このように単なる表示での利用のための通貨の換算は、ヘッジ可能な経済的リスクを表していないという見解をとる。その結果、IFRICは、機能通貨を表示通貨に換算する際にヘッジ会計の利用を認めないことを提案する。IFRICは、ヘッジされたリスクは、在外営業活動体の機能通貨とグループ構造の中でのいかなる親会社の機能通貨との間から生じる為替エクスポージャーであると結論付けた。明確化は、ある会社について、直近上位の親会社のみ、主要な親会社のみ、又はそれら若しくは在外子会社のいかなる中間的な親会社に対する為替リスクをヘッジする会計処理ができるかどうかについて必要とされた。

IFRIC解釈指針案D22号は、グループの事業形態内のどの個別会社がヘッジ手段を保有できるかも検討している。IFRICは、ヘッジ手段は、グループ内のいかなる子会社又は親会社も当該会社の機能通貨に関係なく保有できることを提案する。在外営業活動体からのリスクを相殺する際にどの程度ヘッジ手段が有効であるかを評価するために、会社は、リスクをヘッジする親会社の機能通貨でヘッジ手段の価値の変動を計算しなければならず、ヘッジ手段を保有する子会社の機能通貨で計算してはならない。

IFRICは、ヘッジ関係の開始時に会社が適切な文書を作成する際に直面する困難さを理解している。したがってIFRICは、承認されたならば、ガイダンスが将来に向かって、すなわちすべての将来の取引に対して適用されることを提案している。

IFRIC解釈指針書案第D22号「在外営業活動体に対する純投資のヘッジ」は、eIFRS購読者は本日から入手することができ、明日以降IASBウエブサイトから無料で入手可能になる。

以上

お問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な問い合わせ先

Robert Garnett, Chairman, IFRIC
Telephone: +44 (0)20 7246 6410,
Email: rgarnett@iasb.org

Tricia O’Malley, IFRIC Co-ordinator
Telephone:+44 (0)20 7246 6929,
Email: tomalley@iasb.org

IFRICについて

IFRICは、国際会計基準審議会(IASB)の解釈機関である。その目的は、IFRSsで明確に対応されていない新たに識別された論点、または権威ある指針がなく不十分なまたは矛盾する解釈が策定されている、あるいは策定される可能性があるような論点をレビューすることである。いかなる個人または組織も、論点をIFRICの議題とすることを要請することができる。それが検討されるためには、当該論点は、広範囲であり実務上の関連性がなければならない。IFRICは、出身国や職業経験の異なる12人(全員非常勤)の議決権を有する委員で構成されている。彼らは、国際会計基準委員会財団の評議会から任命されており、発生した現在の論点に対する意識を持続する能力及びそれを解決する専門的な能力により選任されている。IFRICの解釈指針書は、IASBの承認が条件であり、IASBから公表された基準書と同じ権威を持つ。