ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、公正価値測定に関するガイダンス案を公表

2009年5月28日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、一般のコメントを募集するために、公正価値測定に関するガイダンスの公開草案を公表した。

適用された場合、本基準は、個別の国際財務報告基準(IFRS)に含まれている公正価値測定ガイダンスを、公正価値の単一の統一された定義とともに、活発でない市場における公正価値測定の適用に関する追加的な権威のあるガイダンスに置き換えることとなる。本提案は、現行の基準で公正価値がすでに要求されている場合に、どのように公正価値を測定すべきかを取り扱っている。決して公正価値の利用を拡大するものではない。

IFRSと米国会計基準(GAAP)との間の整合性を確保するために、本提案は、米国財務会計基準審議会(FASB)から公表された公正価値測定に関する最近のガイダンスを組み込んでおり、流動性のない市場における公正価値測定に関する2008年10月に公表されたIASBの専門家諮問パネルの報告書とも整合している。

2008年9月に公表された両審議会の覚書(MOU)に記述されているように、本プロジェクトは、IFRSと米国GAAPとのコンバージェンスを達成するためのIASB及びFASBによる長期のプログラムの一部を構成するものである。IFRSと米国GAAPにおける公正価値測定を合わせるというG20首脳からの要請にも整合している。

本公開草案を開発する際のIASBの出発点は、対応する米国の基準であるSFAS第157号「公正価値測定」(改訂後)であった。公正価値の定義案は、SFAS第157号の定義と同一であり、補足ガイダンスも、米国GAAPとおおむね整合している。

本公開草案の発表に当たり、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「本公開草案は、世界的な金融危機に対する我々の対応における重要なマイルストーンである。それは、公正価値の測定について明確で整合性のあるガイダンスを提案し、活発でなくなった市場で生じる評価の論点にも対処している。本ガイダンス案は、公正価値測定に関連する論点について米国GAAPとの整合性を確保するものであり、米国GAAPとの全体的なコンバージェンスを達成することとなる。」

本提案は公開草案「公正価値測定」に示され、コメント募集のため2009年9月28日まで公開される。 本公開草案は、www.iasb.orgの‘Open for Comment’セクションで入手可能である。 IASBは、本公開草案の提案を紹介するウェブキャストを開催する予定であり、詳細はウェブサイトにしかるべき時に公表される。

金融危機に対するIASBの対応に関するより詳細な情報については、www.iasb.org/financial+crisisを参照いただきたい。

本公開草案の印刷版(ISBN978-1-907026-10-2)は、IASC財団出版部から£12(及び郵送料)で、間もなく購入可能となる予定である。

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プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
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Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
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専門的な内容に関する問い合わせ先

Peter Clark, Director of Research, IASB,
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Email: pclark@iasb.org

編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について 

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立されたIASC財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その14人のメンバー(うち13人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組合せを選択することが要求されている。


公開草案「公正価値測定」の原文は、IASBのウェブサイトの中の公正価値測定プロジェクトのページから入手が可能です。