ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、グループ現金決済型株式報酬取引の会計処理を明確化(IFRS第2号修正)

2009年6月18日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、グループ現金決済型株式報酬取引の会計処理を明確化するIFRS第2号「株式報酬取引」に対する修正を公表した。

本修正は、グループ内の個々の子会社が自らの財務諸表で、ある種の株式報酬契約をどのように会計処理すべきかを明確にしてほしいというIASBが受け取った要請に対応している。当該契約では、子会社は従業員又は仕入先から財又はサービスを受け取るが、その親会社又はグループ内の他の企業が当該仕入先等に株式報酬の支払いをしなければならない。

IASBは、受け取ったコメントを考慮して当初の提案を改訂した。本日公表された修正は、次の点を明確化している。

  • IFRS第2号の範囲。グループ内のどの企業が取引を決済するかにかかわらず、また、当該取引が株式又は現金のいずれで決済されるかにかかわらず、株式報酬契約で財又はサービスを受け取る企業はその財又はサービスを会計処理しなければならない。
  • IFRS第2号と他の基準との相互関係。審議会は、IFRS第2号における「グループ」の意味はIAS第27号「連結及び個別財務諸表」での意味と同じであること、すなわち、親会社とその子会社のみを含むものであることを明確化した。

IFRS第2号に対する修正には、これまでIFRIC第8号「IFRS第2号の範囲」及びIFRIC第11号「IFRS第2号―グループ及び自己株式取引」に含まれていた指針も組み込まれている。その結果、IASBはIFRIC第8号とIFRIC第11号を廃止した。

eIFRS購読者は本日からIFRS第2号に対する修正「グループ現金決済型株式報酬取引」を入手することができる 。印刷版(ISBN 978-1-907026-09-6)は、IASCF出版部から£10(及び郵送料)で間もなく購入可能となる予定である。

IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749
Email: publications@iasb.org,
Web: www.iasb.org

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Tricia O’Malley, Director of Implementation Activities, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6929,
Email: tomalley@iasb.org

Dora Cheung, Practice Fellow, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6912,
Email: dcheung@iasb.org

編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立されたIASC財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。2009年7月から、IASBのメンバーは、現在の14名(うち13名は常勤)から15名に増加する。ボードメンバーは、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。