ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、「自己の信用リスク」についての会計に関する見解を募集

2009年6月18日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、負債の測定における信用リスクの役割に関するディスカッション・ペーパーを一般のコメントを募集するために公表した。 本ペーパーには、負債の測定に信用リスクを含めることに対する最も一般的な賛成論と反対論を記述したスタッフ・ペーパーが添付されている。

負債の測定における信用リスクは、しばしば「自己の信用リスク」と呼ばれる。現行の国際財務報告基準(IFRS)は、借入金を公正価値で測定する際に、「自己の信用度」の変動によって生じる損益を計上することを要求している。会計上の観点からは、資産と負債の両方に公正価値測定を適用することには十分な理由がある。しかし、この結果を直感に反すると考える人々もいる。金融市場の最近の動向は、企業の負債の価値の変動から生じる利得に関する懸念を増大させている。

本ディスカッション・ペーパーは、この懸念に対応するものである。「自己の信用リスク」の論点は、他のIASBのプロジェクト、特に金融商品、保険、公正価値測定、及び引当金、偶発負債及び偶発資産の会計と関連性がある。

本スタッフ・ペーパーは、コメント募集のため2009年9月1日まで公開され、IASBのウェブサイトwww.iasb.orgの‘Open for Comment’セクションにて無料で入手可能である。

公表に当たって、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。 「『自己の信用リスク』の公正価値変動による損益を計上するという実務が、公正価値会計における主要な問題点の1つとして識別されていることを我々は承知している。この協議資料に対する回答は、IASBが金融危機への包括的な対応をさらに進めるのに役立つだろう。」

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Wayne Upton, Director of International Activities
Telephone: +44 (0)20 7246 6449,
email: wupton@iasb.org

Sue Lloyd, Senior Technical Consultant,
Telephone: +44 (0)20 7246 6454,
Email: slloyd@iasb.org

編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立されたIASC財団の基準設定機関であり、独立した民間の非営利組織である。IASBは、公益に資するよう、 一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。その14人のメンバー(うち13人は常勤)は、9か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、 専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組合せを選択することが要求されている。