ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、金融商品会計に対する改善を提案

2009年7月14日

 国際会計基準審議会(IASB)は、本日、金融商品会計の改善案の公開草案を、一般のコメントを募集するために公表した。

本提案は、金融商品会計のIASBの包括的再検討の一環である。本提案は、複雑性を大きく低減させ、財務諸表を投資家に理解しやすくするとIASBが考えているものであるが、金融商品をどのように分類し測定するかを取り扱っている。本提案は、金融危機の間に関係者から提起された懸念にも対応している(例えば、売却可能資産と償却原価で測定される資産についての異なる減損アプローチの削除)。IASBは、この分類及び測定の提案を、2009年末の財務諸表での任意適用に間に合うように基準化することを予定している。

本提案は、G20の首脳や他の国際機関から示された提言及びタイムテーブルにも直接的に対応し、それらと整合的なものである。会計処理の改善を求める声に対応するために、IASBは包括的プロジェクトを3つのフェーズ(他のフェーズは、減損の手法とヘッジ会計を取り扱う)に分割することを決定した。IASBは2010年中にIAS第39号の置換えを完了することを予定しているが、強制適用は早くとも2012年1月となる。

本公開草案の公表に当たって、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「金融危機は、企業が保有又は発行している金融商品に関して財務諸表に表示されている情報のよりよい理解が投資家に必要であることを示した。財務諸表を投資家に理解しやすくすることは、投資家の信頼の回復のために不可欠の要素である。
本日の提案は、このプロセスの重要な第1段階である。それらは、金融商品の会計処理に関して生じた懸念にも直接的に対応している。本提案を基準化する際には、我々は、金融商品に関する共通の改善された会計基準を実現するために、米国の基準設定主体である財務会計基準審議会と共同で作業を続ける。」

IASBは、2009年7月15日(水)に、本提案を紹介する2回のライブのウェブ・プレゼンテーションを開催する。第1回は、ロンドン時間午前9時30分に行われる。標準時が異なる関係者の便宜のため、第2回のウェブキャストは、ロンドン時間午後3時に行われる。本提案のハイレベルの要約であるIASB「スナップショット」も、IASBウェブサイトのプロジェクトのセクションから無料でダウンロードできる。

IASBは、公開草案ED/2009/7「金融商品:保有区分及び測定」について2009年9月14日までコメントを募集する。本公開草案は、本日からIASBのウェブサイトwww.iasb.orgの‘Open for Comment’セクションにて入手可能である。

ED/2009/7「金融商品:分類及び測定」の印刷版(セットでISBN 978-1-907026-21-8)は、IASCF出版部から£10及び郵送料でまもなく購入可能となる。購読者は、eIFRSウェブサイトにて本文書を見ることもできる。eIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。

IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749
Email: publications@iasb.org,
Web: www.iasb.org

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先 

Gavin Francis, Director of Capital Markets, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6410,
Email: gfrancis@iasb.org

編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について 

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。 IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。 この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 15名の常勤のメンバーは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。 彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。