ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、株主割当で発行された新株予約権の分類に関する提案を公表(IAS第32号修正案)

2009年8月6日

 国際会計基準審議会(IASB)は、本日、株主割当で発行された新株予約権の分類に関する提案を、一般のコメントを募集するために公表した。

本提案は、株主割当で発行された新株予約権が発行者の機能通貨と異なる通貨建である場合の会計処理を明確化することを目的としている。現行の実務は、このような新株予約権をデリバティブ負債として会計処理することを要求しているように見える。本提案は、このような新株予約権が,発行通貨の固定額で企業の現在の株主に対して比例按分(プロラタ)で発行される場合には、権利行使価格の表示通貨にかかわらず資本として分類すべきであるとしている。

多くの新株予約権が、発行者の機能通貨と異なる通貨建であり、世界的な金融危機により、企業が追加の資本調達を求めるにつれて、そのような新株予約権の数が増加している。このため、IASBは、金融危機に対する包括的な対応の中でこの局面に関する作業を加速化した。本提案は、IAS第32号「金融商品:表示」修正案の公開草案で示されており、コメント募集のために30日間公開され、採択された場合には遡及的に適用される。

本公開草案の紹介として、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「IASBは、世界的な金融危機に関連する作業を引き続き優先している。このケースでは、IASBは、新株予約権が企業の機能通貨と異なる通貨建で発行されている場合に会計処理されている方法の潜在的な不整合に対処するために迅速に取り組んだ。」

公開草案「株主割当で発行された新株予約権の分類」における提案は、2009年9月7日までコメント募集のために公開される。受け取ったコメントを検討した後、IASBは、2009年末までに最終的な修正を公表し、早期適用を認める予定である。本公開草案は、IASBのウェブサイトwww.iasb.orgの‘Open for Comment’セクションで入手できる。購読者は、eIFRSウェブサイトでも本文書を見ることができる。

公開草案の印刷版(ISBN 978-1-907026-31-7)は、IASCF出版部から£10及び郵送料でまもなく購入可能となる。

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専門的な内容に関する問い合わせ先 

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編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。 IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。 この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 15名の常勤のメンバーは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。 2012年までに16名の常勤のメンバーに拡大される。 メンバーは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、 専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。 彼らの作業において、評議員会は、公的機関のモニタリング・ボードに対して説明責任を負っている。