ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、年次改善プロジェクトにおいて修正案を公表

2009年8月26日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、一般のコメントを募集するために、年次改善プロジェクトによる11の国際財務報告基準(IFRS)の改訂を提案する公開草案を公表した。

本修正案は、昨年に開始したプロジェクトのサイクルにおいてIASBが議論した論点を反映している。提案内容は、IFRS第3号「企業結合」(2008年改訂)における非支配持分の測定の明確化から、IFRSの意図の明確化や意図せざる不整合の除去のための表現の変更まで多岐にわたっている。

別段の定めのあるものを除き、今回の修正について提案した発効日は2011年1月1日以後開始する事業年度であるが、早期適用は認められる。IFRS第3号「企業結合」から生じる追加の修正及びIAS第27号「連結及び個別財務諸表」(2008年修正)の経過措置による修正について提案した発効日は、2010年7月1日である。

本公開草案は、www.iasb.orgのプロジェクトのウェブサイト又は‘Open to Comment’セクション経由でアクセス可能である。IASBは、本公開草案に対するコメントを2009年11月24日まで募集している。

「IFRSの改善案」の印刷版(ISBN 978-1-907026-33-1)は、IASCF出版部から£10.00(及び郵送料)で間もなく購入可能となる予定である。eIFRSの購読希望者はwww.iasb.orgのオンラインショップ、又は下記にお問い合わせいただきたい。

IASC Foundation Publications Department,
30 Cannon Street, London EC4M 6XH, United Kingdom.
Tel: +44 (0)20 7332 2730,
Fax: +44 (0)20 7332 2749
Email: publications@iasb.org,
Web: www.iasb.org

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472,
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463,
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Michael Kraehnke, Practice Fellow, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6912,
Email: mkraehnke@iasb.org

編集担当者への注釈

年次改善プロセスについて

2006年に、IASBは、国際財務報告解釈指針委員会(IFRIC)や、スタッフ又は実務に携わる者からの提案によってもたらされた事項から生じる、緊急ではないIFRSの改訂を扱うための年次のプロセスを導入した。本改善は、IFRS間の矛盾点や、表現の明確化が必要な分野に焦点を当てている。毎年IASBは、年間を通じて生じるIFRSに対する改善の提案について議論や決定を行う。第3四半期に、集められた提案を一括した公開草案が、一般のコメントを求めるために90日間のコメント期限を設けて公表される。IASBは受領したコメントを検討した後に、最終的な形式による改訂を、翌年の第2四半期に発行し、さらにその翌年の1月1日から発効することを目標とする。

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。 IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。 この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 15名の常勤のメンバーは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。 彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。

取り扱っているIFRS

以下の表は、本修正案で取り扱っているIFRS及びトピックの一覧を示している。

IFRS 改訂対象
IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」 適用年度における会計方針の変更
みなし原価としての再評価ベース
IFRS第3号「企業結合」 改訂基準の発効日以前に発生した企業結合による条件付対価に対する経過措置
非支配持分の測定
置換えをしないか又は任意に行う株式報酬
IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」 関連会社又は共同支配企業に対する重要な影響力の喪失に対するIFRS第5号の適用
IFRS第7号「金融商品:開示」 開示の明確化
IAS第1号「財務諸表の表示」 所有者持分変動計算書の明確化
IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」 質的特性の用語の変更
IAS第27号「連結及び個別財務諸表」 投資企業の個別財務諸表における関係会社に対する投資の減損
IAS第27号(2008年修正)の結果として行われたIAS第21号、IAS第28号及びIAS第31号に対する修正についての経過措置
IAS第28号「関係会社に対する投資」 関連会社の測定に関する公正価値の部分的な利用
IAS第34号「中間財務諸表」 重要な事象及び取引
IAS第40号「投資不動産」 公正価値モデルから原価モデルへの変更
IFRIC第13号「カスタマー・ロイヤルティ・プログラム」 特典クレジットの公正価値