ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、2008-2010サイクルのIFRSの年次改善を完了

2010年5月6日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、「IFRSの改善」(7つの国際財務報告基準(IFRS)の修正の集合体)を年次改善の最新の一組として公表した。

IASBは、他の主要なプロジェクトの一部に含まれない緊急ではないが必要とされるIFRSの修正を行うために、年次改善プロジェクトを使用している。本日の公表に含まれている修正は、2009年8月に公表されたIFRSの改訂案の公開草案に含まれていた論点を反映している。また、料金規制の対象となる事業を行っている企業に適用されるIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の修正も含んでいる。当該修正は、2009年7月に公表された公開草案「料金規制活動」に含まれていた。改訂を断片的な変更の連作とせずに単一の文書で示すことにより、すべての関係者にとっての変更の負担を軽減することをIASBは目指している。

別段の定めのある事項を除き、この修正は2011年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用は認められる。

購読者は、この文書をeIFRSで見ることができる 。

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Adviser, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Michael Stewart, Director of Implementation Activities, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6922
Email: mstewart@iasb.org

年次改善プロセスについて

2006年に、IASBは、IFRS解釈指針委員会(以前は、国際財務報告解釈指針委員会、すなわちIFRICと称していた)が提起した問題や、スタッフあるいは実務者からの提案によって生じた、IFRSの緊急ではない修正を扱う年次プロセスを導入した。その改善は、IFRS間の矛盾点や、表現の明確化が必要な分野に焦点を当てている。毎年IASBは、年間を通じて生じるIFRSへの改善提案について議論し決定する。第3四半期に、集められた提案を一括した公開草案が、一般のコメントを求めるために90日間のコメント期間で公表される。IASBは、受領したコメントを検討した後に、最終的な形式による改訂を、翌年の第2四半期に公表し、その翌年の1月1日から発効させることを目標とする。2010年1月から、IFRS解釈指針委員会は、追加的な役割として、年次改善プロセスの中での修正案を検討してIASBへの提案を行うこととなった。

取り扱っているIFRS 

以下の表は、本修正で取り扱っているIFRS及びトピックの一覧を示している。

IFRS  修正対象
IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」 適用年度における会計方針の変更
みなし原価としての再評価ベース
料金規制の対象となる事業に対するみなし原価の利用
IFRS第3号「企業結合」 改訂基準の発効日以前に発生した企業結合による条件付対価に対する経過措置
非支配持分の測定
置換えをしないか又は任意に行う株式報酬
IFRS第7号「金融商品:開示」 開示の明確化
IAS第1号「財務諸表の表示」 所有者持分変動計算書の明確化
IAS第27号「連結及び個別財務諸表」 IAS第27号(2008年修正)の結果として行われたIAS第21号、IAS第28号及びIAS第31号に対する修正についての経過措置
IAS第34号「中間財務諸表」 重要な事象及び取引
IFRIC第13号「カスタマー・ロイヤルティ・プログラム」 特典クレジットの公正価値

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。 IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。 この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 15名の常勤のメンバーは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している。 彼らは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。