ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、その他の包括利益の項目の表示の改善を提案

2010年5月27日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、その他の包括利益(OCI)の項目の表示方法の整合性を改善する提案を、一般のコメントを募集するために公表した。

IASBは、純損益とその他の包括利益を、一つの連続した計算書の中の独立の区分に表示することを企業に求めるよう提案している。IASBは、OCIの項目を、損益計算書の純損益の部に最終的に「リサイクル」されるかどうかに基づいてグループ分けすることも提案している。

本提案は、米国財務会計基準審議会(FASB)と共同で開発したものであり、FASBでも、金融商品に関する提案の一部として、OCIの表示の変更について一般のコメントを求めている。

本提案の紹介として、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「我々は、その他の包括利益の利用を拡大するいくつかの提案を最近公表している。そのため、この情報を明瞭に統一的な方法で表示することが適切である。本提案が採択されれば、財務諸表の中のますます重要となっている部分においてIFRSと米国会計基準との一層のコンバージェンスをもたらすことになる。」

公開草案「その他の包括利益の項目の表示(IAS第1号修正案)」は、2010年9月30日までコメントを募集している。公開草案は、本日からwww.iasb.orgの‘ Comment on a proposal’セクションを通じてアクセス可能である。

本提案のハイレベルの要約であるIASB「スナップショット」及び本提案を詳細に述べた頻出質問集(FAQ)も、IASBウェブサイトから無料でダウンロードできる。

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Corporate Communications, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@iasb.org

Sonja Horn, Communications Manager, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6463
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Alan Teixeira, Director of Technical Activities, IASB
Telephone +44 (0)20 7246 6442
Email: ateixeira@iasb.org

Henri Venter, Technical Manager, IASB
Telephone +44 (0)20 7246 6453
Email: hventer@iasb.org

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 IASBは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している15名の常勤のメンバーから構成されている。2012年までに16名のメンバーに拡大される。メンバーは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。彼らの作業において、評議員会は、公的機関のモニタリング・ボードに対して説明責任を負っている。


公開草案「その他の包括利益の項目の表示」(IAS第1号の修正案)の原文は、IASBのウェブサイトの中の「財務諸表の表示:その他の包括利益の項目の表示」プロジェクトのページから入手が可能です。

公開草案「その他の包括利益の項目の表示」(IAS第1号の修正案)の日本語訳は以下よりダウンロードすることが可能です。本訳は、企業会計基準委員会スタッフによる参考のための資料です。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですのであらかじめご了承ください。

公開草案「その他の包括利益の項目の表示」