ASBJ 企業会計基準委員会

IASB、レベル3公正価値測定についての開示規定の改善を提案

2010年6月29日

本日、国際会計基準審議会(IASB)は、2009年5月のIASB公開草案「公正価値測定」の一部となっていたレベル3の公正価値測定に関する開示提案の一層の拡充を、一般のコメントを募集するために公表した。

当初の公開草案で、IASBは3段階の公正価値ヒエラルキーを提案した。これは、公正価値測定のためのインプットとして使用される観察可能な市場データと観察不能な市場データを分類するものである。そのヒエラルキーによれば、レベル3のインプットは、市場データが入手可能でない資産又は負債の公正価値測定に使用される「観察不能なインプット」である。

受け取ったコメントに対応して、IASBは測定の不確実性についての分析の開示を求めることにより当初の提案を拡充することを提案している。レベル3で公正価値の測定に使用される観察不能なインプットどうしの相互依存性を反映するためである。財務諸表の利用者は、この情報により、異なる観察不能なインプットの使用が公正価値測定に与える影響を評価できるようになるとコメントした。

公開草案「公正価値測定に対する測定の不確実性の分析の開示」は、2010年9月7日まで、コメント募集のために公開される

FASBは、公開草案「米国会計基準とIFRSにおける共通の公正価値測定及び開示規定のための修正」で提案を公表している。両審議会は、公正価値測定についての検討を続けており、公開草案に対して受け取ったコメントを共同で検討する。

IASBの公開草案は、本日からhttp://go.iasb.org/open+to+commentでアクセス可能である。

FASBの公開草案は、www.fasb.orgでアクセス可能である。

IASBは、本提案が一部を構成する公正価値測定プロジェクトの進捗についての包括的な要約をまもなくウェブサイトに公表する。

プレス関係の問い合わせ先 

Sonja Horn, Communications Manager, IASB,
Telephone: +44 (0)20 7246 6463
Email: shorn@iasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Hilary Eastman, Senior Technical Manager, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6470
Email: heastman@iasb.org

Gavin Francis, Director of Capital Markets, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6901
Email: gfrancis@iasb.org

編集担当者への注釈

国際会計基準審議会(IASB)について

国際会計基準審議会(IASB)は、2001年に設立され、独立した民間の非営利組織である国際会計基準委員会(IASC)財団の基準設定機関である。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットを開発することを公約している。この目的を追求するため、IASBは、広範にわたる公開の協議を行っているほか、世界中の国際機関や各国機関と協力している。 IASBは、10か国から選ばれ、幅広い職務上の経歴を有している15名の常勤のメンバーから構成されている。2012年までに16名のメンバーに拡大される。メンバーは、IASC財団の評議員会から選任されるとともに、これに対して説明責任を負っており、専門的な能力と、国際的なビジネス及び市場に関する経験の多様性に関して、選択し得る最良の組み合わせを選択することが要求されている。彼らの作業において、評議員会は、公的機関のモニタリング・ボードに対して説明責任を負っている。


公開草案「公正価値測定に関する測定の不確実性分析の開示」(開示案の限定的な再公開)の原文は、IASBのウェブサイトの中の「公正価値測定ガイダンス」プロジェクトのページから入手が可能です。

公開草案「公正価値測定に関する測定の不確実性分析の開示」(開示案の限定的な再公開)の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

公開草案「公正価値測定に関する測定の不確実性分析の開示」