ASBJ 企業会計基準委員会

IASBとFASBが、財務諸表表示プロジェクトに関する追加的なアウトリーチ活動を開始

2010年7月1日

IASBとFASBは本日、財務諸表の表示に関する共同プロジェクトについての利害関係者への拡大版アウトリーチのプログラムを、それぞれのウェブサイトに基準案のスタッフ・ドラフトを掲載することにより、開始した。このドラフトは、2010年4月の共同会議で終結した両審議会の暫定決定の集積を反映したものである。

最近公表した「会計基準のコンバージェンス及び高品質なグローバル会計基準の単一のセットの公約に関する進捗状況報告」の中で、FASBとIASBは、公開草案の確定及び公表の前に、財務諸表表示プロジェクトに関する焦点を絞ったアウトリーチ活動を行うことを約束した。両審議会は、基準案のドラフトがアウトリーチ活動を容易にする効果的な手段となると判断した。

スタッフ・ドラフトに基づいて、今後数か月にわたって行われる予定のアウトリーチ活動は、2つの領域に重点を置く。

  1.  提案について認識されている便益とコスト
  2.  提案が金融サービス企業の財務報告に与える影響

特に、スタッフは次のことを計画している。

  • 財務諸表の利用者に、財務諸表の構成及び表示する情報についての変更案が、自分たちの分析や資源配分の意思決定にどのように便益をもたらすのかを評価することを要請する。
  • 財務諸表の作成者に、自分たちに固有の状況におけるこれらの変更案の採用に伴う労力とコストを評価することを要請する。
  • 金融サービス企業の財務諸表の作成者及び利用者と会って変更案について議論する。
  • スタッフ・ドラフトの提案についてさらにフィールド・ワーク(追加的なフィールド・テストや実験的調査を含む)を行うことにより、便益とコストに関する追加の情報を収集する。

財務諸表表示プロジェクト・チームは、2010年7月1日公表の財務諸表表示スタッフ・ドラフトのフィールド・テストに参加する銀行、住宅金融組合、信用組合を募集している。金融機関に関しての表示モデル案の運用可能性と有用性について理解することが、両審議会及びスタッフにとって重要である。フィールド・テストへの参加に関心のある銀行、住宅金融組合及び信用組合は、自社の情報をお寄せいただきたい。ご質問はFASBのプロジェクト・マネージャーのRegenia Cafini (rdcafini@fasb.org) まで。

両審議会は、追加のアウトリーチ活動を2010年末までに完了する予定である。両審議会は、現在までに到達した暫定的決定(スタッフ・ドラフトに反映されている)を、受け取ったフィードバックに照らして、2011年初めの公開草案公表を目指して再検討する。FASBもIASBも公式にはコメントを募集していないが、関係者からのインプットは歓迎する。

本プロジェクトに関するさらに詳細な情報及び連絡先の情報は、両審議会のウェブサイトhttp://go.ifrs.org/FSPwww.fasb.orgで入手できる。


スタッフ・ドラフト 公開草案「財務諸表の表示」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみで提供しておりますので、あらかじめご了承ください。