ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが繰延税金の会計処理の一局面の修正を提案

2010年9月10日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、公開草案「繰延税金:基礎となる資産の回収」を、一般のコメントを募集するために公表した。

本提案は、IAS第12号「法人所得税」の一局面を修正するものである。IAS第12号では、繰延税金負債及び繰延税金資産の測定は、企業が資産の回収を当該資産の使用によって行うのか売却によって行うのかで決まる。場合によっては、回収が使用を通じて行われるのか売却を通じて行われるのかを評価するのは困難で主観的となることがある。

このようなケースにおける実務的なアプローチを示すために、本修正案は、回収が他の方法で生じるという明確な証拠がない限り、資産はすべて売却を通じて回収されるという推定を導入することとしている。

この推定は、投資不動産、有形固定資産又は無形資産が公正価値で再測定されるか又は公正価値で再評価されている場合に適用される。

公開草案「繰延税金:基礎となる資産の回収」は、2010年11月9日までコメントを募集しており、www.iasb.org‘Comment on a Proposal’ セクションを通じてアクセスできる。

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Communications, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@ifrs.org

Gilliam Bishop, Communications Manager, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6463
Email: gbishop@ifrs.org

専門的な内容に関する問い合わせ先 

Mitshuhiro Takemura, Visiting Fellow, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6479
Email: mtakemura@ifrs.org

編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、10か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。