ASBJ 企業会計基準委員会

IASBとFASBが会計基準の発効日に関して意見を募集

2010年10月19日

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は、本日、新規の財務報告基準をいつ発効させるべきかに関する意見を求める文書を公表した。それらの新基準は主として、国際財務報告基準(IFRS)と米国の一般に認められる会計原則(US GAAP)を改善し両者のコンバージェンスを達成するための作業によるものである。

各IFRSを確定する際に、IASBは新規定をどの日から適用することが企業に要求されるのかを明確にする(これは発効日と呼ばれる)。この日付は、当該IFRSの公表日の12か月から18か月後のことが多い。これにより、企業が変更のための準備をし、各国が当該IFRSを法令又は規制の枠組みに導入するための時間を与えている。

多くの重要プロジェクトが2011年に完了となる予定の中で、両審議会は、関係者の負担を軽減するために発効日を配列すべきかどうか、また、どのように配列すべきかに関する意見を求めている。進め方を決定するにあたって、IASBは、すでにIFRSを採用している法域とともに採用を予定している法域のニーズを考慮する。この意見募集からのフィードバックは、両審議会が新基準の導入計画を共同で作成する際の重要な情報となり、その計画は関係者が変更のペースとコストの両方を管理するのに役立つ。

意見募集の対象となるプロジェクトには、「金融商品」の第2・第3フェーズ、「顧客との契約から生じる収益」「保険契約」及び「リース」が含まれる。コメントは2011年1月まで募集する。

この意見募集へのコメントとして、IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「今後6か月から8カ月の間に、多くの新たなIFRSが公表される予定である。これらの基準のそれぞれが投資家の意思決定により有用な情報を提供するであろうが、発効日を1つにまとめるのか一定期間にわたって配列するのかについて、利用者と作成者がどちらを良いと思っているのかを我々は知りたい。」

プレス関係の問い合わせ先 

Mark Byatt, Director of Communications, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@ifrs.org

Gilliam Bishop, Communications Manager, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6463
Email: gbishop@ifrs.org

編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、11か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。

IASB意見募集「発効日と移行方法」の和訳