ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが経営者の説明に関するIFRS実務記述書を公表

2010年12月8日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、国際財務報告基準(IFRS)実務記述書「経営者の説明(Management Commentary)」を公表した。IFRSに従って作成される財務諸表に付属する記述的な報告の表示に関する、概括的で拘束力のないフレームワークである。

経営者の説明は、財務諸表の利用者に企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに関する実績と予測の説明を提供することにより、重要な役割を果たしている。経営者の目的とその目的を達成するための戦略とを理解するための基礎として役立っている。

実務記述書は、企業が提供する情報を自らの事業の具体的な状況に合わせて調整することを認めている。これには、個々の方式の法的及び経済的状況が含まれる。この柔軟なアプローチは、より有用な開示を、最も重要な資源、企業の価値に影響を与える可能性のあるリスクと関係、及びそれらをどのように管理しているかに関して、生み出すであろう。

実務記述書はIFRSではない。したがって、企業はIFRSに準拠するためにこの実務記述書に従う必要はない。

IASB議長David Tweedie卿は次のように述べた。

「経営者の説明は、年次報告書の最も興味深い部分の一つである。公表された財務情報に経営者が背景説明を加え、将来の戦略と目的を説明する機会を与えるものである。また、持続可能性や環境関係の報告などの非財務数値の報告においてもますます重要となってきている。
この実務記述書の公表は、この重要な情報源の国際的な整合性を高めることにより、利用者と作成者の両方に便益を与えるであろう。」

プレス関係の問い合わせ先

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Email: gbishop@ifrs.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Allison McManus, Technical Manager, IASB
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編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、11か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。