IASBとFASBが減損会計に関する共通の解決策を提案
―両審議会が金融商品会計の基本的な局面に対応― 

2011年1月31日

国際会計基準審議会(IASB)と米国の財務会計基準審議会(FASB)は、本日、オープン・ポートフォリオの中で管理されている貸付金などの金融資産の減損の会計処理に関する共通の提案を、一般のコメントを求めるために公表した。

現在、国際財務報告基準(IFRS)と米国会計基準(US GAAP)は、貸倒損失を発生損失モデルで会計処理しており、金融資産の評価減を行うには損失の証拠(トリガー事象と呼ばれる)が必要とされている。両審議会は、予想損失モデルへの移行を提案しており、貸倒損失の会計処理方法について将来に着目したアプローチを示している。両審議会は、このアプローチは融資の意思決定の経済的実質をより良く反映するものと考えている。

本提案は、IASBが2009年11月に公表した公開草案、及び2010年5月公表のFASBの別個の公開草案に対する補足として公表された。それらの公開草案は、信用減損の会計処理について異なる方法を示していた。それ以降、両審議会は両者のアプローチを合わせるための作業を行った。その際に、両審議会は、当初の公開草案に対するコメントや専門家諮問パネル(EAP)による提言を、FASBの提案に対するコメントともに考慮に入れた。EAPは、リスク管理の専門家による外部のグループで、予想損失モデルの適用の運用上の帰結を検討することを任務としていた。

IASB議長David Tweedie卿は次のようにコメントした。

「金融危機の際の大きな不満の1つは、貸付金の損失が認識される場合に、それが『小さすぎ、遅すぎる』ことであった。こうした状況により、貸付金の損失について、引当が従来よりも早期に行われるように、もっと将来に着目したアプローチが必要なことが明らかになった。提案している予想損失モデルへの移行は、この問題に対処するとともに、IFRSとUS GAAPを合わせることになる。」

FASB議長Leslie Seidman氏は次のように述べた。

「FASBとIASBは、負債性金融商品の減損に対する改善されコンバージェンスされたアプローチを緊急に求める意見を聞かされた。我々が非常に関心を持っているのは、この改訂後のアプローチが貸倒損失に関する目的適合性のある適時な情報を提供すると投資家が考えているかどうか、及び報告企業がこの要求事項案を運用可能と考えているかどうかである。」

本補足文書は、2011年4月1日まで一般のコメントを募集しており、IASBとFASBのウェブサイトを通じてアクセスできる。協議期間中に、IASBとFASBは本提案に関する意見を求めるための追加的なアウトリーチを行う。

提案の要約(IASB Snapshot)が、ここからダウンロードできる。

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Communications, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@ifrs.org

Neal McGarity, Director of Communications, FASB
Telephone: +1 203 956 5347
Email: nemcgarity@fasb.org

専門的な内容に関する問い合わせ先

Sue Lloyd, Directore of Capital Market, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6454
Email: slloyd@ifrs.org

Sara Glen, Practice Fellow, IASB
Telephone: +44 (0)20 7246 6933
Email: sglen@ifrs.org

Chris Roberge, Project Manager, FASB
Telephone: +1 203 956 5247
Email: ceroberge@fasb.org

編集担当者への注釈

IASBについて

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、11か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年までに16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。

米国財務会計基準審議会(FASB)について

1973年以来、FASBは、米国における財務会計及び財務報告基準を設定するための民間部門の機関として指定されている。それらの基準は、財務報告書の作成を規定し、証券取引委員会及び米国公認会計士協会により権威のあるものとして正式に認知されている。このような基準は経済が効率的に機能するために不可欠である。投資家、債権者、監査人及びその他の人々は、信頼性、透明性、比較可能性のある財務情報を必要としているからである。FASBに関する詳細な情報は、ホームページwww.fasb.orgをご参照いただきたい。


補足文書「金融商品:減損」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

補足文書「金融商品:減損」の和訳

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