IASBが退職後給付の会計処理の改善を導入

2011年6月16日

国際会計基準審議会(IASB)は、本日、年金その他の退職後給付の会計処理を改善するプロジェクトを、IAS第19号「従業員給付」の修正版の公表により完了したと発表した。

この修正は、次のことにより重要な改善を行うものである。

  • 利得又は損失の認識を繰り延べる選択肢(「コリドー方式」と呼ばれる)を廃止し、比較可能性と表示の忠実性を高める。
  • 確定給付制度から生じる資産及び負債の変動の表示を簡素化する。これには、再測定をその他の包括利益(OCI)に表示するという要求が含まれ、それにより、当該変動を多くの人々が企業の日常的活動の成果と考える変動と区別する。
  • 確定給付制度に関する開示要求を拡充し、確定給付制度の特徴及び企業が当該制度への参加により晒されているリスクに関するより適切な情報を提供する。
     

この修正は、投資家及び他の財務諸表利用者に、確定給付制度の提供により生じている企業の債務、及び当該債務が企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローにどのように影響するのかに関する一層明確な理解を与えるものとなる。

このプロジェクトは、IASBと米国の国内基準設定主体である財務会計基準審議会との間の覚書(MoU)の一部を構成していたものでもある。コリドー方式の廃止により、IFRSと米国会計基準とがさらに一致することになる。

IAS第19号は、IASBが2001年に活動を開始した時に引き継いだものである。しかし、欧州及び他の法域での2005年のIFRS採用のための安定した基盤を達成するためにIASBが行った当初の改善のセットには含まれていなかった。IAS第19号の見直しは、2006年に、IASBの提案の開発及び改良についてIASBに助言するワーキング・グループの設置により開始された。IASBは、2008年3月に一般のコメントを求めるためのディスカッション・ペーパーを公表し、2010年4月に公開草案を公表した。公開草案には、220通以上のコメントが寄せられた。作業を完了する際に、IASBは利害関係者との広範な協議を行った。

この発表について、IASB議長David Tweedie卿は次のようにコメントした。

「多くの企業で、ずっと昔に約束した確定給付年金の債務があり、それは現在では各企業の最大の金融負債となっている場合がある。本日公表したIAS第19号の修正は、投資家及び他の財務諸表利用者が、それらの約束に関する程度と財務リスクを十分に知ることができるようにするものである。それは特に、年金基金の積立超過又は積立不足を財務諸表に表示することを要求することにより確保されている。同時に、この修正は、年金負債の変動の中の背景雑音を、中心的事業の基礎的な財務業績と区別するのに役立つ。」

IAS第19号の修正版は、2013年1月1日以後に開始する事業年度に効力を有する。早期適用が認められている。

IASBポッドキャスト・サマリーとフィードバック・ステートメントが、ともにIASBのウェブサイト(www.ifrs.org)から入手できる。IASBのスタッフは、この修正を紹介するウェブキャストを近いうちに開催する。参加方法の詳細はウェブサイトのホームページで発表する。

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