ASBJ 企業会計基準委員会

Michel Prada氏がIFRS財団評議員会議長に指名される

2011年12月12日

IFRS財団の評議員会は、本日、Michel Prada(ミシェル・プラダ)氏を評議員会の議長に指名したことを発表した。Prada氏は、証券監督者国際機構(IOSCO)の理事会及び専門委員会の前議長であり、高い尊敬を受けている、投資家保護及び独立した基準設定に対する支持者である。彼は、投資家重視の国際的組織を主導する重要な経験をもたらす。

Prada氏は当初の3年間の任期を、2012年1月1日から務めることになる。指名は、国際的なエクゼクティブ・サーチ会社の支援を受けて、評議員会の指名委員会が主導した広範な国際的な人選手続を受けてのことである。指名に対する提案は、IFRS財団評議員会の全員一致の支持を受け、その後、IFRS財団モニタリング・ボードにより承認された。

IFRS財団の11年前の設立以前にもそれ以降にも、Prada氏は、国際的に認められる高品質な会計基準のセットとしての国際財務報告基準(IFRSs)の確立に関する事項に深く関与し、取り組んできた。2000年には、独立した基準設定プロセスを監督する評議員の新機関を選出した当初の指名委員会のメンバーを務め、2005年の欧州でのIFRS採用の主要な支持者であった。

フランスの市場及び証券規制機関であるフランス金融市場庁(AMF)及びその前身団体の長官としての12年の中で、投資家保護及び国際的な基準に対して率直な意見を述べた支持者であった。この期間には、IOSCO理事会及び専門委員会の議長を務め、金融安定化フォーラム(現在は、金融安定化理事会)の創設時メンバーであった。

米国でのエンロンとワールドコム並びに欧州でのパルマラットの会計関連の破綻を受けて、Prada氏は、2005年に国際会計士連盟(IFAC)の公益監視委員会(PIOB)を設立するため国際的な金融規制界のメンバーによる共同の取組みを主導した。最近では、Prada氏は、IASBと米国の財務会計基準審議会に対して金融危機への共同の対応に関して助言することを目的に設置された金融危機諮問グループのメンバーであった。

Prada氏は、現在、国際評価基準委員会の議長、国際金融規制諮問評議会の共同議長を務め、金融規制国際センターの非常勤理事である。

ボルドー政治学院に在籍し、その後1964年から1966年まで国立行政学院に在籍した。フランス法律経済大学を卒業し、法津学修士号を取得した。

評議員会の指名委員会の議長であるBryan Nicholson卿は次のように述べた。

「Michel Prada氏は、 IFRS財団の設立に深く携わった人物である。IFRSが国際的な基準になろうとしている時に、彼が戻り、評議員会の議長となることはふさわしいことだ。

彼の指名は、評議員会及びモニタリング・ボードの全員の支持を受けた。これは、広範な人選手続の素晴らしい成果である。」

IFRS財団評議員会の議長指名に対するコメントとして、Prada氏は次のように述べた。

「高名な歴代の議長が務めてきた職位に指名されたことは名誉なことである。証券規制者として、私は、国際化した世界において公正で効率的な市場には、投資家及び他の市場関係者のニーズを満たす国際的な会計基準が必要であると確信している。

私は、その目的に対するIASBの役割及びこの組織が適切なガバナンスと強固な独立性を構築する必要性を長い間支持してきた。IASBがこのビジョンを達成する支援をするため、私は、同僚の評議員と共に活動することを心待ちにしている。」

IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「Michel Prada氏と私は、IOSCOに出ていた間、ともに緊密に協力してきた。IOSCO専門委員会の議長として、Michelは世界中で尊敬された強いリーダーシップを示した。

私は、Michelの判断と国際的な市場における透明性に対する彼の取組みにいつも非常に感謝をしている。」

以上

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Communications and External Affairs, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472. Email: mbyatt@ifrs.org

Sonja Lardeau, Communications Manager, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6463. Email: slardeau@ifrs.org

IFRS財団について

IFRS財団は、国際会計基準審議会(IASB)の監督機関である。財団は、IASBを通じて、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を要求する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットの開発に取り組んでいる。

評議員会について

IFRS財団の評議員会は、国際的な金融市場について広範な経験を有する上級の機関である。評議員は再任可能な3年の任期で任命される。

評議員の指名は、公的な資本市場を監督する責任を有する当局で構成されるモニタリング・ボードによる承認を受け、説明責任を有する。

各評議員は、世界の資本市場において及びその他の利用者によって利用される、高品質で国際的な会計基準の開発に責任をもつ国際的組織の成功に関連性のある国際的論点について、理解があり、敏感であることが期待される。

22名の評議員の構成は、世界の資本市場及び多様な地域的及び職業的背景を幅広く反映する。アジア・オセアニア地域から6名、ヨーロッパから6名、北米から6名、アフリカから1名、南米から1名、世界の残りの地域から2名が選任される。

評議員会議長について

評議員会の議長は、再任可能な3年の任期で任命される。役割の責任として、個人の時間のうち年間約100日の時間を確約することが求められる。議長は、2名の評議員会副議長による支援を受ける。副議長には、現在、藤沼亜起氏(日本)とBob Glauber氏(米国)が就任している。

IFRS財団評議員会の歴代の議長は、Paul Volcker氏(2001-2005)、Tommaso Padoa-Schioppa氏(2006 & 2010)、Philip Laskawy氏(2006-2007)及びGerrit Zalm氏(2008-2010)である。

Tommaso Padoa-Schioppa氏は、2010年12月に亡くなるまでの間、議長を務めた。以後、2名の副議長が議長代理を務めている。

Michel Prada氏の略歴

1940年4月2日、ボルドーに生まれる

学歴

ボルドー政治学院及びフランス国立行政学院(1964-1966)卒業、法律学修士号取得

職歴
1966 財務監督官
1970 公会計局(経済省)に出向
1978 公会計局長
1985 予算局長(経済省)
1987 財務総局長
1988 – 1995 中小企業設備銀行 会長
1994 – 1995 経済社会評議会 委員
1994 – 1995 国家信用評議会 委員
1995 – 2002  フランス証券取引委員会(COB)委員長
2003 – 2008 フランス金融市場庁(AMF)長官
1996 – 1998 IOSCO理事会 議長
1998 – 2000, 2005 – 2008  IOSCO専門委員会 議長
2009 – 国際評価基準委員会(IVSC)評議員会 議長
2009 – 金融規制国際センター 理事
2009 – パリ・ユーロプレース金融法委員会 議長
2009 – 公会計標準化評議会 議長
2010 – 国際金融規制諮問評議会 共同議長
2010 – カタール取引所 独立ボードメンバー  
他の職位
1989 – 2001 パリ管弦楽団 理事長
1990 – 2005 ボルドー政治学院 理事長
2008 – ボルドー大学 理事
受勲
1995 芸術文化勲章(シュヴァリエ)
2002 レジオン・ドヌール勲章(コマンドゥール、3等)
2005 国家功労勲章(グラントフィシエ、2等)