ASBJ 企業会計基準委員会

IASBとFASBが、リース会計のアプローチに関して合意

2012年6月13日

国際会計基準審議会(IASB)と財務会計基準審議会(FASB)は、本日、国際財務報告基準(IFRS)と米国会計基準(US GAAP)におけるリース会計を改訂するプロジェクトの一環として、リース費用の会計処理に対するアプローチに関して合意した。

両審議会がリース・プロジェクトに着手したのは、多くのリース債務が現在は貸借対照表に計上されておらず、現行のリース取引の会計処理はすべてのリース取引の経済的実態を表すものではないという広く持たれている懸念に対処するためである。現在までに至ったリース・プロジェクトに関する決定は予備的なものである。両審議会は、共同の公開草案を本年の第4四半期に公表する予定である。

両審議会は以前に、リースを貸借対照表に計上すべきであることに同意したが、損益計算書における費用の分類及びパターンについて議論を継続してきた。本日至った決定において、両審議会は、一部のリース契約を2010年「リース」公開草案での提案と同様のアプローチを用いて会計処理し、一部のリースはリース費用が定額となるアプローチを用いて会計処理するというアプローチを決定した。

IASB議長Hans Hoogervorst氏は、次のように述べた。「両審議会は、1年超のリースを貸借対照表に載せるというアプローチ案に関して合意に至った。我々は、この重要なコンバージェンス・プロジェクトを2013年中に完了させることを目指して、一般のコメントを求めるために我々の提案を公表する予定である。」

FASB議長Leslie F. Seidman氏は、次のように述べた。「両審議会は、すべてのリースについて損益計算書のプロフィールを同じにすべきなのかどうかに関して、利害関係者の多様な見解を慎重に検討した。結局、我々は、リース資産の耐用年数又は価値のうち比較的小さい割合を移転するリースは、リース期間にわたって均等に認識すべきだと決定した。」

以上

プレス関係の問い合わせ先

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国際会計基準審議会(IASB)について

IASBの設立は2001年で、独立の民間非営利組織たるIFRS財団の基準設定機関である。IASBは、公益のため、高品質の国際的な会計基準(一般目的の財務諸表において高品質で透明かつ比較可能な情報を提供する)の単一のセットの開発に取り組んでいる。この目的に向け、IASBは広範な公開協議を行い、世界中の国際機関及び国内機関の協力を求めている。IASBには現在、11か国から選出された多様な職歴をもつ15名の常勤メンバーがおり、2012年には16名に増員となる。メンバーはIFRS財団の評議員会により選任され、評議員会への説明責任を負う。評議員会に求められているのは、専門的能力と多様な国際的ビジネス及び市場の経験との最善の利用可能な組合せを選択することである。評議員会は、その職務上、当局者のモニタリング・ボードへの説明責任を負っている。詳細な情報は、ウェブサイトwww.ifrs.orgを参照のこと。