ASBJ 企業会計基準委員会

IFRSに関する米国SECのスタッフ報告書公表への反応

2012年7月15日

IFRS財団の評議員会は、米国証券取引委員会(SEC)のスタッフが作成したワークプランの最終要素となるスタッフレポートの公表に留意している。ワークプランは、2010年に開始され、同委員会が国際財務報告基準(IFRS)を米国の財務報告制度に組み込むのかどうか及びその方法を決定する際の助けとなることを意図している。

この報告書の公表に対するコメントとして、IFRS財団評議員会の議長Michel Prada氏は次のように述べた。

「評議員会は、米国内での考え得るIFRSの使用に関する最終SECスタッフ報告書の公表に留意している。報告書はIFRSへの移行時に米国のような経済大国が直面する多くの課題を改めて示している。その課題は、他の法域がIFRSへの移行を完了する際に克服に成功してきたものである。

評議員会は、この報告の詳細を慎重に検討し、必要に応じて追加的な措置を取る予定である。我々の初期的評価では、発見事項の多くは、今年初めに完了したモニタリング・ボード及び評議員会のそれぞれのガバナンス及び戦略レビューの結論とおおむね整合的なものであり、すでに2012年の作業計画において対処されている。

米国でのIFRSの組込みの方法及び時期を決定するSECの権利は認識しているものの、このスタッフ報告書にSECに対するアクション・プランの提案が付属していないことは残念である。グローバル会計基準に対するG20の度重なる要望に喚起されたコンバージェンス・プログラムの成果を踏まえ、明確なアクション・プランを待ち望んでいる。

米国の利害関係者と国際的な利害関係者の双方の便益のため、評議員会は、SECがグローバル会計基準への米国のコミットメントに関して続いている不確定状態を解決することを期待している。」

IASBの議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「IFRSはすでに国際的基準としての臨界点に達しており、現在G20の3分の2以上が採用している。IFRSがグローバル会計基準となるという勢いは逆戻りすることはない。我々は、高品質でグローバル会計基準の単一セットを達成するという我々の使命を確信しており、引き続き、世界中の投資者及びIFRSの他の利用者に役立つために作業を行う。

我々の組織は転換期にある。 IASBは新しいアジェンダに関する作業を開始した。コンバージェンスの時代は終わりに近づいている。我々は制度的基盤を改良し、国際的な基準の設定に関するより包括的なアプローチを設けようとしている。これは、一緒に船に乗って、国際的会計の将来の形成に参加する絶好の時期である。」

以上

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編集担当者への注釈

IFRS財団について

IFRS財団は、国際会計基準審議会(IASB)の監督機関である。財団は、IASBを通じて、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を要求する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットの開発に取り組んでいる。

IFRS 財団の評議員会は、国際会計基準審議会(IASB)の作業とIFRS の厳格な適用を推進している。