IASBが「投資企業」（IFRS第10号、IFRS第12号及びIAS第27号の修正）を公表

2012年10月31日

国際会計基準審議会（IASB）は、本日、「投資企業」（IFRS第10号、IFRS第12号及びIAS第27号の修正）を公表した。

この修正は、投資企業として適格である特定の種類の企業に適用される。IASBは「投資企業」という用語を、その事業の目的が資本増価、投資収益又はその両方からのリターンのためだけに資金を投資する企業を指すために使用している。また、投資企業は、投資の成果を公正価値ベースで評価しなければならない。こうした企業には、プライベート・エクイティ企業、ベンチャー・キャピタル企業、年金基金、ソブリン・ウェルス・ファンド及び他の投資ファンドが含まれる。

IFRS第10号「連結財務諸表」では、報告企業は、支配しているすべての投資先（すなわち、すべての子会社）を連結することが求められていた。財務諸表の作成者及び利用者は、投資企業の子会社を連結することは投資者に有用な情報をもたらさないと指摘した。むしろ、子会社を含めてすべての投資を公正価値で報告する方が、最も有用で目的適合性のある情報を提供する。

これに対応して、「投資企業」の修正は、IFRS第10号における連結に関する要求事項に対する例外を設け、特定の子会社を連結せずに純損益を通じて公正価値で測定することを投資企業に要求している。また、この修正は、投資企業に対する開示要求も示している。

IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べた。

「この修正は、投資企業業界の作成者及び利用者からの要請を受けて導入したものである。受け取ったフィードバックに耳を傾けて、我々は、この変更がこの領域における財務報告の質を大幅に改善し、投資企業内及び投資企業間の両方で透明性と比較可能性を高めると期待している。」

本修正は、2014年1月1日から発効し、早期適用が認められる。これはIFRS第10号の発効日である2013年1月1日の1年後であるが、IASBは、投資企業がIFRS第10号の残りの部分を最初に適用するのと同時に「投資企業」の修正を適用できるようにするため、早期適用を認めた。

以上

プレス関係の問い合わせ先

Mark Byatt, Director of Communications and External Affairs, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6472
Email: mbyatt@ifrs.org

Chris Welsh, Communications Manager, IFRS Foundation
Telephone: +44 (0)20 7246 6495
Email: cwelsh@ifrs.org