IASBが「企業結合」基準の適用後レビューを完了
2015年6月17日
国際会計基準審議会(IASB)は、本日、IFRS第3号「企業結合」の適用後レビューの完了を発表した。これは、本基準における会計処理の要求事項に対する全般的な支持を示すものであるが、さらに調査研究を行ういくつかの領域(のれんの会計処理を含む)を識別している。
IASBは、新基準又は大規模修正が発効してから2年後に適用後レビューを実施する。レビューの目的は、新基準が期待されたとおりに機能しているのか、目的を達成しているのか、財務報告を改善したのかを検討することである。追加的な措置が必要であるとレビューで識別された論点は、IASBのアジェンダに追加されるための通常のプロセス及び要件の対象となる。
このレビューの範囲には、企業結合プロジェクト全体が含まれ、これにはIAS第36号「資産の減損」などの他の基準の結果的修正も含まれていた。
IASBは、3つの主要な情報源から収集した情報に基づいてレビューを行った。すなわち、学術文献及びその他の報告書のレビュー、投資者及びその他の財務諸表利用者から受け取ったフィードバック、作成者、監査人及び規制機関から受け取ったフィードバックである。世界中の利害関係者と60回以上のアウトリーチ会合を開催した。
学術研究のレビューは、IFRS第3号及び関連する基準の企業結合会計の要求事項をおおむね支持する証拠を提供している(特に、報告されたのれん、他の無形資産及びのれんの減損の有用性に関して)。しかし、投資者は、現在ののれんの会計処理の諸側面について見解が分かれており、のれんの定期償却に戻ることを選好する人々もいた。
多くの作成者、監査人及び規制機関は、要求事項の適用上の課題(特に、事業の定義の適用、条件付対価、偶発負債及び無形資産の公正価値測定、毎年ののれんの減損テスト)を指摘した。
この適用後レビューを通じて収集した証拠のすべてを考慮した上で、2015年2月に、IASBは、主要な発見事項をさらに検討するための2つのプロジェクトを調査研究アジェンダに追加した。これらのプロジェクトは、以下の論点に焦点を当てる。
- のれんの減損テストの有効性及び複雑性
- のれんの事後の会計処理
- 事業の定義の適用における課題
- 顧客関係やブランド名などの無形資産の識別及び公正価値測定
IFRS第3号「企業結合」のレビューの報告書及びフィードバック・ステートメントのダウンロード
以上
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