ASBJ 企業会計基準委員会

国際会計基準審議会が収益の基準を明確化する修正を公表

2016年4月12日

国際会計基準審議会(当審議会)は、本日、収益の基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の修正を公表した。いくつかの要求事項を明確化するとともに、新基準を導入中の企業のための追加の経過的な救済措置を設けている。

2014年に公表された収益基準に対する今回の修正は、当該基準の基本原則を変更するものではなく、それらの原則をどのように適用すべきなのかを明確化するものである。これらは移行リソース・グループ(TRG)の議論の結果として生じたものである。TRGは、当審議会と米国の国内基準設定主体である財務会計基準審議会(FASB)が共同して、企業が新基準を導入するのを支援するために設置したものである。

この修正は次のことを明確化している。

  • 契約の中の履行義務(財又はサービスを顧客に移転する約束)の識別方法
  • 企業が本人(財又はサービスの提供者)なのか代理人(財又はサービスが提供されるように手配する責任を有する)なのかの判定方法
  • ライセンス供与から生じる収益の認識を一時点で行うべきなのか一定の期間にわたり行うべきなのかの判定方法

これらの明確化に加えて、この修正は、企業が新基準を最初に適用する際のコストと複雑性を低減する2つの追加の救済措置を盛り込んでいる。

この修正の発効日は、基準の発効日と同日の2018年1月1日である。

この修正に関する追加の情報は、IFRS第15号の明確化のプロジェクト・ページで入手できる。

以上

編集担当者への注釈

  • IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」は、2014年5月に公表された。
  • 2015年に基準の発効日が2017年1月1日から2018年1月1日に延期された。
  • 収益の基準は、米国の国内基準設定主体である財務会計基準審議会(FASB)と共同で開発され公表された。移行リソース・グループ(TRG)は共同のグループとして両審議会が設置したもので、6回の会議を行った。TRGは、強制力のあるガイダンスを公表しない。
  • TRGに関する追加的な情報は、こちらで入手できる。
  • IASB副議長のイアン・マッキントッシュがこの修正を説明しているビデオは、こちらで閲覧できる。

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