ASBJ 企業会計基準委員会

IASBがIFRS第13号のレビューの第2フェーズを情報要請で開始

2017年5月25日

国際会計基準審議会(当審議会)は本日、資産及び負債の「公正価値」を測定する方法を説明する会計基準であるIFRS第13号に関する経験を当審議会に伝えるよう利害関係者に求める要請を公表した。その目的は、当該基準が目的を果たしているかどうかをチェックすることである。

この要請は当審議会のIFRS第13号「公正価値測定」の適用後レビュー(PIY)の一環である。PIRの目的は、会計基準が意図したとおりに機能し目的を達成しているかどうかを評価することである。この評価は、基準の要求事項が投資者、会社及び監査人にどのように影響を与えているのかの分析を伴う。PIRは、基準の中で要求事項の不整合な適用を生じる可能性のある課題を表す領域を検出することにも役立つ。

IFRS第13号のPIRは2つのフェーズで構成されている。第1フェーズでは、当審議会は第2フェーズでさらに分析するトピックを識別した。第2フェーズは、本日公表した情報要請(RFI)で開始され、次のことに焦点を当てる。

  • 公正価値測定に関する開示
  • 子会社、共同支配企業及び関連会社に対する相場価格のある投資の公正価値での測定に関する追加的な情報
  • 非金融商品の公正価値を測定する際の「最有効使用」の概念の適用
  • 判断の適用

さらに、このRFIは、生物資産及び相場価格のない資本性金融商品の公正価値の測定に関する追加的なガイダンスの必要があるかどうかを検討している。

ハンス・フーガ―ホーストIASB議長は次のように述べた。

「適用後レビューはIFRS基準を維持管理するための我々の作業の重要な一部であり、利害関係者の皆様にIFRS第13号に関する経 験の共有をお勧めする。」

IFRS第13号は、公正価値を定義し、単一のIFRS基準の中で、公正価値をどのように測定すべきか及び公正価値測定に関してどの開示を要求するのかを示している。この基準は2011年5月に公表され、2013年1月1日にから発効している。

情報要請「適用後レビュー ― IFRS第13号『公正価値測定』」はここで入手できる。回答の提出期限は2017年9月22日である。

以上

編集者への注釈:

IFRS第13号に関する追加の情報

  •  IFRS第13号の前には、公正価値は文脈や用途に応じて、さまざまなIFRS基準において異なる意味を有していた。IFRS第13号は、公正価値を「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格又は負債を決済するために支払うであろう価格」と定義することによって、不整合を除去した。

  • IFRS第13号の測定及び開示の要求事項は、他のIFRS基準がある項目を公正価値で測定することを要求するか又は認めている場合に適用される。IFRS第13号は、どのような場合に公正価値を使用すべきなのかは定めていない。

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情報要請「適用後レビュー IFRS第13号『公正価値測定』」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

情報要請「適用後レビュー IFRS第13号『公正価値測定』」