ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが「重要性がある」の定義を明確化

2018年10月31日

国際会計基準審議会が本日、「重要性がある」の定義の修正を公表した。企業が重要性の判断を行うのをより容易にするためのものである。

IFRS基準における重要な会計上の概念である「重要性がある」の定義は、情報を財務諸表に含めるべきかどうかを企業が決定する助けとなる。更新後の定義は、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」を修正する。

この修正は、情報が財務諸表に含めるための重要性があるかどうかを判断する際に、一部の企業が古い定義の適用において困難を経験したという発見事項への対応である。

この修正は、「重要性がある」の定義及びそれをどのように適用すべきなのかを、現在までにIFRS基準の他の箇所に現れていた定義のガイダンスを含めることによって、明確化している。さらに、定義に付属する説明が改善されている。最後にこの修正は、「重要性がある」の定義がすべてのIFRS基準にわたり整合的となることを確保するものである。

この変更は2020年1月1から適用されるが、企業は早期適用を決定することができる。

 

  • 従前の定義: 項目の省略又は誤表示は、利用者が財務諸表に基づいて行う経済的意思決定に、単独で又は総体として影響を与える可能性がある場合には、重要性がある。(IAS第1号「財務諸表の表示」)
  • 新しい定義: 情報は、それを省略したり誤表示したり覆い隠したりしたときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には、重要性がある。

「『重要性がある』の定義」(IAS第1号及びIAS第8号の修正)はここから入手できる(eIFRSプレミアムの購読が必要)。

                                                                                                                                                                                                 以 上