ASBJ 企業会計基準委員会

IASBがIBOR改革に対応してIFRS基準の的を絞った修正を提案

2019年5月3日

国際会計基準審議会(当審議会)は、銀行間金利(IBORs)などの金利指標の改革に照らして、新旧の金融商品基準であるIAS第39号及びIFRS第9号の修正案を一般のコメントを求めるために公表した。

当審議会がIFRS第9号「金融商品」及びIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の修正を提案したのは、金利指標改革から生じる不確実性のみを理由としたヘッジ会計の中止を生じさせる可能性のあった特定のヘッジ会計の要求事項からの救済措置を提供するためである。

IFRS基準は、ヘッジ会計を適用するために将来予測的な情報を使用することを企業に要求している。金利指標改革が継続している間、現行の金利指標がいつ、どのような金利に置き換えられるのかに関する不確実性が存在する。修正案を適用しないと、この不確実性により、企業が将来予測的な評価を行う能力に対する改革の影響のみを理由として、企業がヘッジ会計を中止しなければならなくなる結果を生じる可能性がある。これは、投資者にとって財務諸表における情報の有用性の低下となる可能性がある。

国際会計基準審議会のハンス・フーガ―ホースト議長は次のように述べた。

「当審議会は、IBOR改革の結果が明確となるまで、IBOR改革をめぐっての不確実性に対処することに役立つ変更を提案するために迅速に対応した。」

当審議会は、改革から生じる会計上の影響を2段階で検討している。今回の修正案は、金利指標の置換えまでの期間における不確実性の影響に関するものである。置換えに関してより多くの情報が利用可能となった時間で、当審議会は、改革による潜在的な会計上の影響を評価し、追加の対応を取るべきかどうかを決定する。

IFRS第9号及びIAS第39号の修正案は、公開草案「金利指標改革」で見ることができる。

コメントレターは、ここから提出することができる。

コメント期限は2019年6月17日である。当審議会は最終的な修正を2019年の後半に公表することを目指している。

                                                                                                                                                                                                  以 上


公開草案「金利指標改革」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

公開草案「金利指標改革」