ASBJ 企業会計基準委員会

IASBがOECD第2の柱モデルルール課税に係る繰延税金の会計処理からの一時的な救済措置を提案

2023年1月9日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、IAS第12号「法人所得税」の修正案を公表した。修正案は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールの間近に迫った適用から生じる繰延税金の会計処理からの一時的な救済措置を提供することを目的としている。

IASBは、これらのルールが財務諸表における法人所得税の会計処理に与える潜在的な影響に関しての利害関係者の懸念に対応しようとしている。特に、利害関係者は当該ルールから生じる繰延税金の会計処理に関する不確実性に関して懸念を示した。彼らは、いくつかの法域でこれらのルールの適用が間近に迫っていることを踏まえて、明確化への緊急の必要性があると述べた。

修正案は次のことを導入することとなる。

  • 当該ルールの適用から生じる繰延税金の会計処理に対する一時的な例外
  • 影響を受ける企業に対しての的を絞った開示要求

アンドレアス・バーコウIASB議長は次のように述べた。

「IASBは、この分野における動向をモニタリングしており、これに対応して、影響を受ける企業に適時な救済措置を提供し、投資者に有用な情報を提供しつつIAS第12号の一貫しない解釈(したがって一貫しない適用)を避ける修正を提案した。」

世界のGDPの90%以上を占める135の国及び法域が、第2の柱モデルルールに同意している。当該ルールは次のようなものである。

  • 経済のデジタル化から生じている税務上の課題に対処することを目的とし、
  • 大規模多国籍企業が営業を行っている各法域で生じた所得に対して支払うこととなる15%のミニマム法人税率の適用のためのひな型を提供している。

公開草案「国際的な税制改革ー第2の柱モデルルール」は、2023年3月10日までコメントを募集している

本プロジェクトは加速化されたものであるため、IASBは、公開草案に対するコメントを条件として、修正を2023年第2四半期に最終確定することを目指している。

公開草案「国際的な税制改革ー第2の柱モデルルール」へのアクセスはこちら

以 上


公開草案「国際的な税制改革ー第2の柱モデルルール」の日本語訳は以下からダウンロード可能です。この翻訳は、企業会計基準委員会スタッフが参考のために作成したものです。ご利用にあたっては、必ず原文をご参照ください。

なお、本資料はPDFファイルのみでの提供ですので、あらかじめご了承ください。

公開草案「国際的な税制改革ー第2の柱モデルルール」