ASBJ 企業会計基準委員会

IASBが企業のサプライヤー・ファイナンスの透明性を増進

2023年5月25日

国際会計基準審議会(IASB)は本日、サプライヤー・ファイナンス契約及びそれが企業の負債、キャッシュ・フロー及び流動性リスクに対するエクスポージャーに与える影響についての透明性を増進させるための開示要求を公表した。

この開示要求は、一部の企業のサプライヤー・ファイナンス契約が十分に可視化されておらず、投資者の分析を妨げているという投資者の懸念へのIASBの対応である。

この修正は、IFRS会計基準にすでにある要求事項を補完するものであり、以下を開示することを企業に要求している。

  • 契約条件
  • 当該契約の一部である負債の金額(仕入先がファイナンス提供者からすでに支払を受けている金額を区分し、当該負債が貸借対照表のどこに記載されているのかを記述)
  • 支払期日の範囲
  • 流動リスクの情報

サプライヤー・ファイナンス契約は、サプライチェーン・ファイナンス、営業債務ファイナンス、又はリバース・ファクタリング契約と呼ばれることが多い。

アンドレアス・バーコウIASB議長は次のように述べた。

「新しい開示要求により、企業のサプライヤー・ファイナンスの使用が可視化され、当該使用が企業の営業活動にどのように影響を与えたのかを示すことによって投資者がより十分な情報に基づく投資意思決定を行えるようになるであろう。」

この修正(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」及びIFRS第7号「金融商品:開示」に影響を与える)は、2024年1月1日以後開始する事業年度に適用される。

新しい要求事項及びそれらがもたらす便益に関する詳細情報については、下記を閲覧されたい。

IFRS Digital購読者及びIFRS Digital and Print購読者は、IFRS会計基準ナビゲーター及び「サプライヤー・ファイナンス契約」のプロジェクト・ページから文書をダウンロードできる。IFRS Digital and Print購読者には、文書の印刷版が送付され、印刷版はウェブショップから注文することもできる。この修正は2024年3月にIAS第7号及びIFRS第7号に統合され、その時点で無料のウェブサイト登録で利用者に入手可能となる。

以 上