ASBJ 企業会計基準委員会

第22回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2002年10月25日(金) 10時00分~12時10分
場所 (財)財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. IASBリエゾン国会議の議事対応について
  2. ストック・オプション等専門委員会の検討概要について
  3. リース会計専門委員会の検討概要について
  4. 固定資産会計専門委員会の検討概要について

報告事項

  1. 第12回 国際対応専門委員会の議事概要について
  2. 日中韓3カ国会議の報告
  3. 日本公認会計士協会「中小会社の会計のあり方に関する研究報告」及び「SPCの実態調査に関する報告」に関する現在の状況について

議事概要

審議事項

1. IASBリエゾン国会議の議事対応について
  • 木村専門研究員より、IASBリエゾン国会議における業績報告に関する日本の主張として、「包括利益」だけでなく「純利益」を表示することの必要性について理論的・実証的な見地からの意見を提示することが説明された。
    続いて、荻原専門研究員より、「業績報告」を除く、リエゾン国会議の議題についてその内容と対応案が説明された。
  • 木村専門研究員の説明についての各委員の主な発言は以下の通りである。
    「業績報告について、IASBは単なる表示の問題としているが、『利益の概念』や『業績とは何か』を抜きにしてこの問題は議論できないことを主張すべきだ。」との意見が述べられた。
    また、「IASBでは今後、『業績計算書』という言葉は用いず、『包括利益計算書』とし、『業績』の定義は行わない方向である。」ことが説明されたが、「それでも、純利益やリサイクリングの処理がなくなることに変わりはなく、問題は残るのではないか。」等の意見が出された。
    また、実務面から「IR活動において、包括利益については質問を受けたことがない。」
    「包括利益は新しい概念であり、証券アナリストの多くも理解していないので、収益力を判断する従来の当期純利益を表示した上で、補足的に包括利益を開示すれば良いのではないか。」との意見が出された。
  • 荻原専門研究員の説明についての各委員の主な発言は次の通りである。
    「MD&A(経営者の事業報告)について、IASBはどの範囲まで関わるのか。」との質問について「財務報告に関する部分のみと考えられ、コーポレート・ガバナンス全般を規制するものではない。」との確認がなされた。
2. ストック・オプション等専門委員会の検討概要について
  • 上田専門研究員より、標記専門委員会で審議が行われた「失効オプションの取扱い」について説明がなされ、その後意見交換が行われた。
3. リース会計専門委員会の検討概要について
  • 中村専門研究員より、標記専門委員会にて行われた「参考人(日本公認会計士協会・リース事業協会)からの意見聴取」及び「論点の検討(賃貸借人におけるファイナンス・リースの性格等)」について説明がなされ、その後、意見交換が行われた。
4. 固定資産会計専門委員会の検討概要について
  • 豊田専門研究員より、標記専門委員会にて行われた「不動産等の売却に係る会計処理」について日本の取扱いと国際的な取扱い(IAS、FASB)を中心に説明がなされ、その後、意見交換が行われた。

以上