ASBJ 企業会計基準委員会

第25回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2003年1月14日(火) 10時00分~12時10分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. リース会計の検討
  2. 固定資産会計専門委員会における検討概要について
  3. 実務対応報告公開草案「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い(案)」について
  4. 実務対応報告公開草案「コマーシャル・ペーパーの無券面化に伴う発行者の会計処理及び表示についての実務上の取扱い(案)」について
  5. 金融商品専門委員会における検討概要について
  6. リース会計専門委員会専門委員長選任について

報告事項

  1. 日本公認会計士協会会計制度委員会の活動状況について
  2. 概念プロジェクトの検討について
  3. IASB会議報告

議事概要

(1) リース会計の検討

小賀坂専門研究員より、リース会計専門委員会において所有権移転外ファイナンス・リース取引の例外処理の見直しについて、これまでの議論で見られた反対意見に関する分析を行った旨及びその内容の説明がなされた。

説明後、意見交換が行われた。

各委員の主な発言は以下の通り。

  • 「賃貸借の会計処理からオンバランスする会計処理に変更することにより、何が問題となるのか具体的に検討すべきではないか。」
  • 「日本のリース取引は、規模の小さいものが非常に多いので、これらをすべて認識することは実務上困難ではないか。」
  • 「オンバランスすることにより、社会的なインパクトがどの程度あるか十分把握する必要があるのではないか。」
(2) 固定資産会計専門委員会における検討概要について

豊田専門研究員より、標記専門委員会において検討が行われている減価償却会計の見直しの方向性に関して、現在の検討状況、今後の進め方等について説明がなされた。

説明後、意見交換が行われた。

各委員の主な発言は以下の通り。

  • 「減価償却会計の見直しについて、会計の本来の償却がどうあるべきなのかを議論すると同時に全く税と切り離してよいか検討した方がよいのではないか。」
  • 「『減価償却の実務が必ずしも経済的実態に即した合理的なものとなっていない』との認識は観念的には理解できるが、実際、どの程度乖離しているのか解らない。」との意見については、「現在、実施している実態調査にて、実際どの程度乖離しているのか明らかにしていきたい。」との説明がなされた。
(3) 実務対応報告公開草案「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い(案)」について

秋葉専門研究員より、標記実務対応報告公開草案の内容について説明がなされた。

審議の後、採決が行われ、字句等の修正に関しては委員長に一任の上、出席委員12名全員の賛成により本実務対応報告公開草案の公表が承認された。

本実務対応報告公開草案の内容については「実務対応報告公開草案第8号 1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い(案)の公表」をご覧下さい。

各委員の主な発言は以下の通り。

  • 「Q4において、非公開会社の子会社のワラントが連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に与える大きいと想定されるときその旨を開示するとあるが、具体的にどのような開示を要するか示すべきではないか。」との意見については、指摘どおり開示内容を明示することが確認された。
(4) 実務対応報告公開草案「コマーシャル・ペーパーの無券面化に伴う発行者の会計処理及び表示についての実務上の取扱い(案)」について

小賀坂専門研究員より、標記実務対応報告公開草案の内容について説明がなされた。

審議の後、採決が行われ、字句等の修正に関しては委員長に一任の上、出席委員12名全員の賛成により本実務対応報告公開草案の公表が承認された。

本実務対応報告公開草案の内容については「実務対応報告公開草案第7号 コマーシャル・ペーパーの無券面化に伴う発行者の会計処理及び表示についての実務上の取扱い(案)の公表」をご覧下さい。

(5) 金融商品専門委員会における検討概要について

秋葉専門研究員より、金融商品専門委員会において、デット・エクイティ・スワップ(DES)の実行により生じた株式の期末評価について検討を行ってきたが、期末評価については、DESによって取得した株式に限らず、種類株式全般の検討を行っており、その考え方などの説明がなされた。

説明後、意見交換が行われた。

各委員の主な発言は以下の通り。

  • 「市場価格のない種類株式の期末評価について、種類株式には債券と同様の性格を持つものがあることが議論されているが、専門委員会において結論が出ているのか。」との質問については、現在、専門委員会にて検討中であることが説明された。
(6) リース会計専門委員会専門委員長選任について

西川副委員長より、企業会計基準委員会常勤委員である石井委員を標記専門委員会の専門委員長に選任いたしたいとの提案がなされ、了承された。

(7) 日本公認会計士協会会計制度委員会の活動状況について

JICPAが作成した既存の実務指針についての細かい改訂は、JICPAが企業会計基準委員会からの委託を受け行うこととなっている。現在、JICPAでは、商法の改正や実務対応報告第1号「新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」が公表されていること、また、これに伴う企業会計基準委員会からの検討依頼を受け、現行の「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改訂が必要かどうかの検討を行っているとの報告が加藤委員よりなされた。

(8) 概念プロジェクトの検討について

西川副委員長より、「基本概念の整理」プロジェクトの活動について、今後、我が国の企業会計に関する基本概念の研究を行い、具体的な成果物として基本概念に関する研究レポートを逐次公表していくことを目標とするとの報告がなされた。

(9) IASB会議報告

山田IASB理事より、平成14年11月12日から14日にわたって開催された第18回IASB会議及び12月18日から20日にわたって開催された第19回IASB会議の概要について報告がなされた。

以上