ASBJ 企業会計基準委員会

第34回企業会計基準委員会議事概要

日時 2003年5月26日(月) 10時00分~11時55分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

減損会計及び時価評価の適用に関する緊急検討

議事概要

(1)事務局より、「検討すべき論点」について説明がなされた。また、銀行の自己資本比率規制、欧米での保険会社に対する有価証券の時価評価の取扱いに関する事実関係について報告がなされた。

(2)その後、事務局より提示のあった「検討すべき論点」について審議が行われた。各委員からの主な意見は次のとおり。

  • 有価証券の時価評価の仕組については、長期間の審議の結果わずか数年前に決定されたものであり、今回の検討においてその妥当性にまで立ち返る必要はないのではないか。
  • 事業内容が特殊であり、負債の大部分が超長期のものである生命保険会社に対する特別の基準の要否は、今回の検討においては範囲外ではないか。将来検討する可能性はあるとしても、単なる業種別の会計ではなく、「一般に公正妥当と認められる会計基準」の範囲としての検討となるのではないか。
  • 時価評価と原価評価の選択制について、仮に導入されたとしても、監査の立場から問題が生ずる可能性があるかもしれない。
  • そもそも代替的な会計処理の選択が認められるのは、画一的な会計基準を強制することよりも、選択制にした方がより実態を反映した会計情報を市場に提供できる場合に限られるべきではないか。有価証券の時価評価及び強制評価減の適用に関する選択制についてはこのような理由が見出し難いのではないか。
  • 新たな基準に移行する場合に適用時期に関して経過措置が設けられるのは、各々の会社で準備期間が異なることが主な理由である。既に実施済みの基準についてその適用を任意とすることは、性格が異なるのではないか。
  • 我々の検討すべき会計基準は、市場へ提供される会計情報作成のためのルールであるが、非公開で、会計監査人の監査対象ではない中小会社については、一義的には我々の検討対象とは異なるのではないか。
  • 銀行の自己資本比率規制に関しては、現行の会計基準を前提とした規定ぶりになっているが、会計基準を変えれば自動的に変わるものではなく、最終的には監督当局の判断によるのではないか。

以上