ASBJ 企業会計基準委員会

第40回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2003年8月19日(火) 13時30分~16時30分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. テーマ協議会からの提言等について
  2. 実務対応報告公開草案「外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」に対するコメントについて
  3. 固定資産会計専門委員会における検討状況について
  4. ストック・オプション等専門委員会における検討状況について
  5. 専門委員の退任・追加選任について

報告事項

  1. 概念整理プロジェクトの検討状況について
  2. IASB会議報告

議事概要

(1)テーマ協議会の川北議長より、テーマ協議会における審議の状況及び企業会計基準委員会のテーマに関する提言内容(提言の内容については、テーマ協議会の提言書(平成15年8月19日)をご覧下さい。)の説明がなされ、その後、意見交換が行われた。

本件に関する主な発言内容は以下のとおりである。

  • 役員賞与の会計処理については、その捉え方により非常に大きなテーマにもなりうる。本件に関する問題の所在等をまとめた上で、検討の範囲、方向性等を審議していくべきである。
  • 役員賞与の会計処理は、確かに裾野が広くなる可能性を有するものであるが、とりあえずは、連結グループ内に委員会等設置会社と監査役(会)設置会社とが混在する場合の不整合を早期に整理することを主眼とすべきである。

(2)秋葉専門研究員より、実務対応報告公開草案第10号「外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」に対するパブリックコメントの内容等の説明がなされ、その後、意見交換が行われた。

本件に関する主な発言内容は以下のとおりである。

  • 本件と同時並行的に、日本公認会計士協会でも会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正作業を行っている。こちらも公開草案に対するパブリックコメントの募集が終了し、今後、その内容を検討したのちに最終確定させるが、公開草案の時と同様に、その最終公表は、本委員会の実務対応報告と同時に行う予定である。

(3)都委員より、固定資産会計専門委員会における検討状況等に関する概要説明がなされた後、山中研究員より、減価償却に関する海外調査の報告及び論点について、また、古内研究員より、不動産等の売却に関する論点及び今後の進め方について、それぞれ説明がなされ、その後、意見交換が行われた。

本件に関する主な発言内容は以下のとおりである。

(減価償却)

  • 我が国では税法に依拠した取扱いが実務として定着しており、確定決算主義に関する議論を脇に置いたままで会計上の議論をしても、実際的な意味での解決に結び付かないと思われる。また、海外実態調査でも、我が国の実務と格別に異なるようなものは見られなかった。
  • (上記の意見に対し)そもそも確定決算主義の問題があるということをわかった上でこのテーマを採り上げたはずではないか。

(不動産等の売却)

  • 本プロジェクトは、未だ論点整理に踏み込むかどうかという段階ではあるが、議論を進行させていく過程においては、その最終公表物の位置付け(例えば、原則的な考え方のみを示した包括的な基準とするのか、それとも個別の取引事象にまで言及したものとするなど)を明確にしていくべきである。
  • 売却の会計処理のフレームワークを整理することには十分意義があるが、その際、法的な所有権の移転のみならず、経済的な所有権の移転によっても売却の会計処理を行うという考え方を示すのであれば、買手側への影響もあるため、買手側における会計処理もカバーしたものとするべきではないか。

(4)西川副委員長及び豊田専門研究員より、ストック・オプション等専門委員会における検討状況等に関する概要説明がなされ、その後、意見交換が行われた。

本件に関する主な発言内容は以下のとおりである。

  • 今後の議論の大体の方向性は、米国基準や国際会計基準と同じ方向性を目指す訳ではないように見受けられるが、そうした議論の進め方が前提になると考えてよいのか。
  • (上記の意見は)費用認識の相手勘定や失効の取扱いについてのご指摘と思うが、我が国の既存基準に整合的な取扱いと米国基準や国際会計基準案等の取扱いが必ずしも一致していない部分である。専門委員会でも、いずれも未だ両論が存在している。しかし、議論の進め方としては、まず、我が国の現行基準と整合的な考え方からスタートして、もし、それを覆すだけの十分な論拠が出てくれば、それを見直すということになるのではないか。

(5)西川副委員長より、各専門委員会の専門委員の退任及び追加選任(案)が提示され、承認された。

(6)荻原専門研究員より、概念整理プロジェクトの検討状況について報告がなされた。

(7)山田IASB理事より、7月のIASB会議について報告がなされた。

以上