ASBJ 企業会計基準委員会

第43回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2003年10月24日(金) 13時30分~15時30分
場所 (財)財務会計基準機構会議室

議題

審議事項

  1. 適用指針(案)「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(案)」について【公表議決予定】
  2. 役員賞与の会計処理について
  3. テーマ協議会からの提言項目について
  4. 減価償却に係る会計基準の取扱いについて

報告事項

  1. 第22回国際対応専門委員会の議事概要について

議事概要

(1)都委員及び秋葉専門研究員より、適用指針「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(案)」について説明がなされた。説明の概要は以下のとおりである。

  • 減損適用指針(案)については、当委員会においても継続的に審議を行ってきたが、これまでの審議結果等を踏まえた上で、専門委員会において本適用指針の最終原案をとりまとめた。
  •  先週(10月15日)開催した専門委員会では、これまでの委員会での審議結果等を踏まえた上で、更なる検討が必要として残されていた論点(基本的なスタンスの明示、減損の兆候(市場価格の著しい下落の程度)に関する記述、注記(グルーピング方法の開示))を中心に最終的な意見調整を行い、以下のような結論に至った。本日は、本最終原案の内容をご確認いただいた後、公表についてのご承認を賜りたいと考えている。
    • 基本的なスタンスの明示 → 表現の修正、記載場所の変更等
    • 減損の兆候(市場価格の著しい下落の程度)に関する記述 → 定性的な記述で「状況」を追加
    • 注記(グルーピング方法の開示)→ 減損損失を認識しない場合における全般的な資産のグルーピングの方法の開示について、強制はしないが、注記が可能である旨を示す
  • 説明の後、審議が行われたが、特に原案の内容に関して修正を求める意見等は出されなかったため、引き続き採決が行われ、字句等の修正に関しては委員長に一任の上、出席委員12名全員の賛成により、原案を公表することが承認された。

(2)西川副委員長及び秋葉専門研究員より、役員賞与の会計処理(添付資料「役員賞与の会計処理に関する検討(第2回)」をご覧ください。)について説明がなされ、その後、審議が行われた。

審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 利益処分による役員賞与を発生時に費用計上した場合における、商法上の配当可能限度額の計算については、実質的には二重払いをするわけではないので、期末に費用計上した金額を二重に控除する必要はないとの解釈も可能であると考えられるが、条文を厳格かつ形式的に解釈すると、(特に中間配当の場合には)そのような取扱いについては疑義が生じる可能性がある。

(3)西川副委員長及び布施専門研究員より、テーマ協議会から提言を受けた項目(テーマ)に関する検討状況等について説明がなされた。今回は、前々回(第41回)の審議を踏まえ、各項目(テーマ)の今後の方向性等に関する審議(最終確認)が行われた。

審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • ストック・オプションに関する記載は、費用処理を仮置きではなく前提としているかのような誤解を生じさせる懸念があるので、修文が必要ではないか。
  • 提言内容は、提言が行われた当時の状況に基づく記載がそのまま引用されているが、その後の法改正等により不整合等が生じている記載については、その点が分かるように配慮するべきではないか。

(本件に関する当委員会における最終的な合意内容については、別掲の「テーマ協議会から提言された項目に関する検討状況」をご参照下さい。)

(4)都委員より、固定資産会計専門委員会における「減価償却に係る会計基準」の取扱いについて説明がなされ、今後のプロジェクトの進め方等に関する提案(添付資料「固定資産会計専門委員会における『減価償却に係る会計基準』の取扱いについて」をご参照下さい。)が行われた。

説明の後に審議が行われ、本プロジェクトについては、長期テーマへ移行することとされた。

(5)西川副委員長より、第22回国際対応専門委員会の議事概要について報告がなされた。

以上