ASBJ 企業会計基準委員会

第59回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年6月22日(火) 10時00分~12時00分
場所 (財)財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の公表について
  2. 企業結合専門委員会における検討状況について
  3. 「不動産の売却に係る会計処理プロジェクト」の今後の方向性について

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要について

議事概要

(1) 討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の公表について

冒頭、西川副委員長より標題討議資料の公表の趣旨・方法等について説明が行われ、続いて、米山客員研究員よりその内容に関する概要説明が行われた。説明に続いて行われた審議の結果、同討議資料の位置付けを明確に示すこと等を前提に、その公表が承認された。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 討議資料は、研究報告ないし研究レポートとであるという位置付けを明確にした方がよい
  • 我が国の会計基準を海外へ理解させるツールとして有効。可能な限り早急に公表し意見集約を行うとともに、英訳版を海外に配布しFASBやIASBとコミュニケーションをとる必要がある
  • 抽象的で難解な内容も含まれているので、解説書のようなものを併せて作成すれば理解の促進につながる。その際には、現行ルールのうち、この討議資料と相容れないものがあれば、それも示してもらえれば理解に役立つ。
  • ディスクロージャーを単なる規制でなく、経営者自ら情報開示のインセンティブを持っているのだという整理は評価できる。もっとその面を強調してもいいぐらいである。
(2) 企業結合専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び布施専門研究員より、企業結合会計専門委員会における検討状況について説明が行われた。今回は、パーチェス法が適用される場合の資本の部の会計処理(取得企業の増加資本の会計処理、土地再評価差額金の個別及び連結財務諸表上の取扱い等)について、その検討状況の説明がなされ、その後、質疑応答等が行われた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • これまで留保利益で引き継げたものが、今後は払込資本として処理することとなる。配当可能利益の計算にあたり、現行制度よりその額が減少することのないように配慮してほしい。
(3) 「不動産の売却に係る会計処理プロジェクト」の今後の方向性について

西川副委員長及び豊田専門研究員より、標題の件に関する説明が行われた。説明では、これまでの委員会において決定された方針や論点整理に対するコメント分析等を踏まえたプロジェクトの方向性(案)が複数示され、これらの方向性(案)を議論のベースとして審議が行われた。審議の結果、本件については、次回以降の委員会で継続して審議を行うこととされた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • プロジェクトを広範に拡大させる方向性案(C案)では、テーマ協議会の提案の範疇から軸がずれてくるし、結論をだしきれないのではないか
  • 現段階で方向性を確定するのは時期尚早。論点整理に対して寄せられたコメントの分析等を行い、それを踏まえて改めて方向性を検討した方がよいのではないか
  • 不動産取引に関する一般的な会計基準の作成には当面手をつけず、細かい運用を想定して、個別の問題から取り組んでいくやり方もあるのではないか
  • 実務上の問題として処理が不統一なケースが多いためにスタートしたプロジェクト。A案もB案も実質的な差はないので、ともかく検討は進めるべきである。
(4) 国際対応専門委員会の議事概要について

西川副委員長より、第30回国際対応専門委員会の議事概要について報告が行われた。

以上