ASBJ 企業会計基準委員会

第61回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年7月23日(金) 10時00分~12時30分
場所 (財)財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 「事業分離等に係る会計処理に関する論点整理(案)」に対するコメントについて
  2. 企業結合専門委員会における検討状況について

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要について
  2. IASB会議報告
  3. 「退職給付会計に関する実務指針」の見直しについて

議事概要

(1) 「事業分離等に係る会計処理に関する論点整理(案)」に対するコメントについて

西川副委員長からコメントに関する概要の説明が行われた後、堀江研究員よりコメントの紹介が行われた。今回はコメントについての対応を決めるのではなく、報告を受けた上で今後の審議の参考としていくこととされた。

なお、審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 事業の時価の算出方法やルールについて、専門委員会でも詳しい検討は行われていないが、実務上の観点に鑑みてこれを検討していくことが望ましいのではないか。
(2) 企業結合専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び布施専門研究員より、企業結合専門委員会における検討状況について説明が行われた。今回は、共通支配下の取引に関する専門委員会での検討状況のうち、会社分割に際し子会社の事業を親会社に移転する場合における取扱いについて、具体的な設例・仕訳等を交えながら説明がなされた。

(3) 国際対応専門委員会の議事概要について

西川副委員長より、第31回国際対応専門委員会の議事概要について報告が行われ、その後、質疑応答等が行われた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 企業の契約履行義務を公正価値で測定するアプローチについて、他に引き受けてもらうために支払うべき金額で測定するという表記があるが、実務上想定できないだけでなく、測定が不明確な時価について議論するのは現実味が感じられない。IASBにコメントを送付することも考えるべきではないか。
(4) IASB会議報告

藤森専門研究員より、6月のIASB会議の報告が行われた。
(内容については「IASB会議報告(第36回会議)」をご覧ください)

(5)「退職給付会計に関する実務指針」の見直しについて

小宮山委員より、日本公認会計士協会からの報告として、退職給付信託が超過積立の状況となり、事業主に超過分が返還された場合の会計処理方法について検討するとの方針が示された。退職給付信託は、「退職給付会計に関する実務指針」において示されているものであることから、基準の変更としてではなく、現行の基準や実務指針を与件としてその解釈を明らかにするものとして、日本公認会計士協会にて対応を検討する旨の説明がなされ、その後質疑応答等が行われた。

なお、審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 現行の実務指針の中では、信託財産の事業主への返還は禁止されているが、返還される場合について年金資産に該当するかどうかも扱うのか。
  • 実務指針作成当時と環境も異なっているので、現在の実状に合ったものとなるように見直してもらいたい。
  • 現行の考え方の変更を伴うのであれば、当委員会で検討すべきであろうが、現行の実務指針の解釈の見直しや明確化であれば公認会計士協会で検討してもらった上で報告をしてもらえればよいのではないか。

以上