ASBJ 企業会計基準委員会

第67回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2004年10月22日(金) 10時00分~12時30分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 企業結合専門委員会における検討状況について
  2. 事業分離専門委員会における検討状況について
  3. ストック・オプション等専門委員会における検討状況について

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要について
  2. ASBJとIASBの共同プロジェクトについて

議事概要

(1)企業結合専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び新井専門研究員より、企業結合専門委員会における検討状況について説明が行われた。説明では、「企業結合に関する開示」に係る主要論点等についての検討内容が提示され、意見交換等が行われた。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • パーチェス法適用における企業結合のプロフォーマ情報を注記する重要性の判断基準として、5%程度では低すぎるのではないか。
  • 重要性があれば注記すべきなのであって数値基準は設ける必要はないのではないか。
  • プロフォーマ情報は業績トレンドを示すことが目的であり、概算額で充分であることを前提に、コスト・ベネフィットの観点から検討すべきではないか。
  • 利用者から見ても業績トレンドがつかめれば充分であるが、作成者の恣意性の入らないものにしてもらいたい。
  • パーチェス法適用における過年度のプロフォーマ情報の開示期間について直前期までが適当との案が示されているが、過年度の開示は任意開示であるので制限を設ける必要はないのではないか。
  • 中間財務諸表における注記情報については簡便的な取扱いを検討すべきではないか。
  • 逆取得した場合において、連結財務諸表を作成していないときの注記について、継続的開示が必要であるか、慎重に検討していく必要があるのではないか。
(2)事業分離専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び秋葉統括研究員より、被結合企業の株主の会計処理に関する論点の検討(「論点整理」【基本論点6、7、8】)について、専門委員会での検討状況の説明がなされた後、意見交換が行われた。

審議における主な発言内容は以下のとおりである。

  • 事業分離により結合当事企業の株主が「その他有価証券」から「その他有価証券」に引き換えることになることになる場合に、交換損益を認識することは実務上困難である。損益を認識しないことが適当との専門委員会の多数意見を支持する。
(3)ストック・オプション等専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び豊田専門研究員より、従業員等ストック・オプション等に係る会計処理基準案についての説明がなされた後、意見交換等が行われた。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • ストック・オプションの権利が行使されないまま失効してしまった場合、権利確定前の失効は当初から見込んだ上で営業費用としているのであるから見込みの修正も営業利益とするが、権利確定後の失効は、見込んでいないものが外部要因により生じたことになるので、特別利益とする考え方もあり得るのではないか。
  • 公正な単価評価を見積もるため、ストック・オプション価格算定モデル等の評価技法を利用することとなり、特性、条件等を適切に反映するよう必要な修正を加えなければならない旨が基準案として提示されているが、非常に高度なモデルを企業が簡単に修正できるものなのか。そのままモデルを利用することも許容されてよいのではないか。
  • 財貨、サービス受領の対価として自己株式を付与する場合には、資本の部に計上するという案が示されているが、株式とオプション権の貸方科目の関係について、特にオプション権を商法上どのように扱うのかという問題についても、明確にしていく必要があるのではないか。
(4)国際対応専門委員会の議事概要について

西川副委員長より、国際対応専門委員会の議事概要が説明された。説明では、10月開催のIASB会議議事への対応、IASB公開草案に対するコメント対応が主な審議事項として議論されたことが報告された。

(5)ASBJとIASBの共同プロジェクトについて

西川副委員長より、会計基準のコンバージェンスを最終目標として現行基準の差異を可能な限り縮小するIASBとの共同プロジェクト立ち上げに向けて協議を開始したことについて、ASBJとIASBからプレスリリースされた旨が報告された。 (内容については「プレスリリース 企業会計基準委員会と国際会計基準審議会 共同プロジェクト立ち上げに向けて協議開始」をご覧下さい)

以上