ASBJ 企業会計基準委員会

第73回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2005年1月25日(火) 13時30分~16時30分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 「『事業分離等に関する会計基準』の検討状況の整理」及び「『企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針』の検討状況の整理」の公表について【公表議決予定】
  2. ストック・オプション等専門委員会の今後の進め方について
  3. 会社法プロジェクトの検討内容について
  4. IASBとの会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトについて

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要
  2. その他

議事概要

(1)「『事業分離等に関する会計基準』の検討状況の整理」及び「『企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針』の検討状況の整理」の公表について

標記「検討状況の整理」の公表に関する審議が行われた。冒頭、西川副委員長より、本日の審議に関する概要説明がなされ、続いて、秋葉統括研究員及び布施専門研究員より、本基準及び適用指針に関する「検討状況の整理」の原案についての概要説明がなされた。説明の後、審議・採決が行われ、最終的な字句等の修正については委員長に一任することを前提に、出席委員10名全員の賛成をもって、本基準及び適用指針に関する「検討状況の整理」を公表することが承認された。

なお、議決に先立って行なわれた審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 「検討状況の整理」は分量も多く、開示(注記事項)については読み飛ばされる可能性もあるが、注記事項は監査対象となることが前提とされていることもあり、従来の制度では対象とされていなかった注記事項については主要論点として「コメント募集」の概要で取り上げてはどうか。
(2)ストック・オプション等専門委員会の今後の進め方について

西川副委員長及び豊田専門研究員より、ストック・オプション等専門委員会の今後の進め方について説明が行われた。説明では会計基準・適用指針開発にあたっての検討の進め方や考えられる検討項目の概要及び今後の具体的検討スケジュールの説明がなされ、質疑応答が行われた。  審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 評価技法を使ったストック・オプションの公正な評価単価の算定などに関して実務的に適用できるレベルで作成してほしい。
(3)会社法プロジェクトの検討内容について

西川副委員長及び布施専門研究員より、会社法制の現代化に伴う会計基準等への影響として考えられる主な項目とその現状、今後の対応の方向性についての説明がなされ意見交換が行われた。なお、今後の対応として専門委員会を新たに設置し、株主持分変動計算書等についての審議をすることが合意された。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 取締役会の決議による株主に対する剰余金の分配が今後行われることになると、分配の源泉が何であるのか(利益の分配なのか、資本の戻しのような性格なのか)不明になる可能性がある。現状の利益処分案のような通知を配当の都度行うことが必要になるのではないか。
  • 専門委員会を1つ新設し、株主持分変動計算書はそこで議論してはどうか。その他、検討対象外となる問題は企業結合やストック・オプション等既存の専門委員会で議論すればよいのではないか。
(4)IASBとの会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトについて

西川副委員長より、企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)は共同プロジェクトの進め方に合意したことについて、プレスリリースされた旨が報告された。(内容については【プレスリリース】「企業会計基準委員会と国際会計基準審議会は共同プロジェクトの進め方に合意」をご覧下さい。) 

また新井専門研究員より、IASBとの会計基準のコンバージェンスに向けた共同プロジェクトにおいて、ASBJから提案する第一フェーズでの検討項目案(棚卸資産の評価基準、セグメント情報、関連当事者の開示、在外子会社の会計基準の統一、有形固定資産及び無形固定資産の再評価、投資不動産)についての説明がなされ、質疑応答が行われた。  審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 第1フェーズでの検討項目案として取り上げられたものは、国際会計基準あるいは日本基準どちらかに一方的に合わせるものではないという認識でよいか。
  • コンバージェンスに対してのみ注力するのではなく、情報としての有用性などを踏まえた議論をすべきではないか。
  • ワーキンググループを設置して国内でも議論し、調整を図りながら進めてもらいたい。

報告事項については、資料の配布をもって報告とすることとされた。

以上