ASBJ 企業会計基準委員会

第74回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2005年2月4日(火) 13時30分~15時30分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. IASBの最近の動向について
  2. 「事業分離等に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」の今後のスケジュールについて
  3. 貸借対照表表示検討専門委員会(仮称)専門委員の選任について

議事概要

(1)IASBの最近の動向について

山田IASB理事より、2004年におけるIASBの活動状況の説明がなされた。説明では、IASBが新規に立ち上げたプロジェクトやワーキンググループの活動状況、またその他審議が継続中のプロジェクトの概要が具体的に提示され、意見交換が行われた。また1月(19~21日)に開催されたIASB会議(内容については「IASB会議報告(第42回会議)」をご覧下さい。)の報告もなされた。

なお、意見交換における主な発言は以下のとおりである。

  • IASBの作成するSME会計基準(主に中小規模企業を対象とした会計基準)では認識と測定についても、ある程度の実務的な面での簡便性は認めつつも基本的な認識と測定の原則までは変えない方向で議論されることを期待している。
  • IASBでは、包括利益の報告プロジェクトにおいて純利益との間でのリサイクリングの問題は切り離して、ボトムラインを包括利益とする計算書に着いての基準化をまず検討することとされている。リサイクリングや小計(事業と財務の区分等)の定義は、包括利益計算書が基準化された後のステップで検討することになる。
  • IASBでは、資産負債アプローチにより純資産の増加をもって収益を認識することを基本的な考え方としているが、資産負債アプローチをとっても純資産の増加が生じているか否かは一義的には決まらないのではないか。
(2)「事業分離等に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」の今後のスケジュールについて

西川副委員長及び布施専門研究員より、「事業分離等に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」の開発に関する今後のスケジュールについての説明がなされた。  スケジュールについては、先般公表した「検討状況の整理」のコメント募集期間、改正会社法の成立等を考慮すると、当初の予定よりも後にずれるが、以下のとおりとすることが確認された。

  • 平成17年夏ごろ 「公開草案」の公表
  • 平成17年秋以降 「会計基準」等の確定
  • 平成18年4月1日以降開始事業年度から適用

また、これに関連した自己株式等会計基準及び適用指針の改訂については、会社法対応の流れの中で検討していくことが確認された。

(3)貸借対照表表示検討専門委員会専門委員の選任について

西川副委員長より、貸借対照表表示検討専門委員会の専門委員の選任(案)が提示され、了承された。なお、当該専門委員会では貸借対照表における貸方項目(さしあたり、新株予約権、少数株主持分、繰延ヘッジ損益の3項目の表示について)の検討を行うことを予定しており、その設置については既に承認されていたものである。

以上