ASBJ 企業会計基準委員会

第85回企業会計基準委員会議事要旨

日時 2005年7月26日(火) 13時30分~16時30分
場所 財務会計基準機構 会議室

議題

審議事項

  1. 公開草案「事業分離等に関する会計基準(案)』及び『企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(案)』」について【公表議決予定】
  2. 会社法対応専門委員会における検討状況について
  3. 貸借対照表表示検討専門委員会における検討状況について
  4. 会計基準設定主体の役割とIASBとの関係に関する覚書案へのコメントについて
  5. 専門委員の退任及び追加選任について

報告事項

  1. 国際対応専門委員会の議事概要
  2. SAC会議報告

議事概要

審議事項

1.公開草案「『事業分離等に関する会計基準(案)』及び『企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(案)』」について【公表議決予定】

標記の公開草案の公表に関する審議が行われた。冒頭、西川副委員長より、本日の審議に関する概要説明がなされ、続いて、秋葉統括研究員及び布施専門研究員より、本公開草案についての概要説明がなされた。説明の後、審議・採決が行われ、最終的な字句等の修正については委員長に一任することを前提に、出席委員11名全員の賛成をもって、本公開草案を公表することが承認された。

2.会社法対応専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び石川研究員より、会社法対応専門委員会における検討状況についての説明がなされた。今回は、企業会計基準適用指針第2号「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準の適用指針」に、企業会計基準適用指針第5号「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準適用指針(その2)」を統合する改正案についての説明がなされた。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 自己株式の取得原価の算定について記されている項目の中に、「支配されている」とか「企業集団内の企業」という用語が使われているが、他の基準等との整合性の観点からも定義をはっきりさせた方が分かりやすいのではないか。
3.貸借対照表表示検討専門委員会における検討状況について

西川副委員長及び秋葉統括研究員より、貸借対照表表示検討専門委員会における検討状況についての説明がなされた。今回は貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準(案)と同適用指針(案)の文案についての検討状況の説明がなされた。

審議における主な発言は以下のとおりである。

  • 貸借対照表の表示区分における改正の考え方として、連結における親会社説の考え方が従来と変わっていない点を明記したほうがよいのではないか。
  • 繰延ヘッジ損失に対する税効果会計の具体的な適用については、日本公認会計士協会監査委員会報告第70号に準ずる場合、5年しか認めないなど期間が有限であるのに、同報告66号にて退職給与引当金等と同様に認めるとなると、税効果は無限に認めるという取扱いになってしまい不整合ではないか。
  • 国際的な基準においては「その他包括利益累積額」という用語が利用され、繰延ヘッジ損益等は上記で区分されている旨の記載があるが、その理由が「包括利益が開示されていない」と簡単に記載されているだけであり、議論の経緯をより詳細に記す考え方もあるのではないか。
4.会計基準設定主体の役割とIASBとの関係に関する覚書案へのコメントについて

西川副委員長及び石原研究員より、IASBが世界の会計基準設定主体の役割との関係に関する覚書案を公表し、コメントの募集を行っていることに関連して、当委員会が送付を予定しているIASBの覚書案に対するコメント案の概要説明がなされた。なお、コメント案における最終的な字句等の修正については委員長に一任することを前提に了承され、IASBへ送付されることが確認された。

(内容については、「会計基準設定主体の役割とIASBとの関係に関する覚書案へのコメント」をご覧下さい)

5.専門委員の退任及び追加選任について

西川副委員長より、専門委員の退任と追加選任についての提案がなされ、承認された。

6.国際対応専門委員会の議事概要

西川副委員長より、国際対応専門委員会の議事概要についての説明がなされた。

7.SAC(IASB基準諮問会議)会議報告

又邊研究員より、6月27、28日の両日に開催されたIASBの基準諮問会議であるSAC会議の報告がなされた。

以上